研究科について
研究科長あいさつ
私たち創価大学教職大学院は、創立者・池田大作先生が示してくださった3つの指針を胸に刻みつつ、「実践力・授業力」「地球的視野」そして「豊かな人間力」の育成をめざしています。そのためには「実践と理論の往還」、すなわち、教育現場での経験値を科学の知へと昇華しつつ、科学な知を実践の智慧へと展開していくことが肝要です。
創価教育の父・牧口常三郎先生は、このような労作業を積み重ねて、大著『創価教育学体系』を著されました。
実践と理論の往還において要諦となるのが、「絶えず自己を省みながら、相手の善性を信じ働きかけ、自他ともの向上をめざす」(池田・ガリソン・ヒックマン『人間教育への新しき潮流』より)ことでありましょう。すなわち「『内省的な問いかけ』と『他者への働きかけ』の往還作業」(同上書)が根底にあってこそ実践と理論は相互に止揚されていくのです。
このように、一歩深い次元から実践と理論の進化発展をめざすところに、私たち創価大学教職大学院の理念の眼目があります。教育課題が多様化・複雑化している現代、今こそ人間教育のエートスを体現した教師が希求されています。
人間教育の大道を歩みゆかんとする皆さんのご入学を衷心よりお待ちしています。
教職大学院基本情報
教職大学院 指針
2008年(平成20年)3月16日に創立者池田大作先生より頂戴した3つの指針になります。
一、子どもの幸福を目指す慈愛の教育者たれ!
一、生命の尊厳を護り抜く正義の教育者たれ!
一、平和の世界を創造しゆく英知の教育者たれ!
教職大学院基本情報
開設年月日 | 2008年(平成20年)4月1日 |
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修業年限 | 人間教育プロフェッショナルコース(2年制) 2年 人間教育プロフェッショナルコース(3年制) 3年 人間教育実践リーダーコース 1年 |
取得学位 | 教職修士(専門職) |
教員数 | 専任教員 11名 兼担教員 8名 非常勤教員 2名 |
入学定員等 | 入学定員 25名 収容定員 50名 |
修了生数及び就職状況
教職大学院パンフレット
教育研究上の目的と基本ポリシー
教育理念・目的
創価大学教職研究科は、創立者池田大作先生の示された「人間教育の最高学府たれ」「新しき大文化建設の揺籃たれ」「人類の平和を守るフォートレス(要塞)たれ」との建学の精神に共通する理念である「人間主義」に基づいた学問研究と教育により、新たな人間観・教育観・発達観・方法観を更新しながら、高度の専門性と実践的能力を備えた教員養成を目的としています。
教育目標
教職研究科は、学校等において指導的役割を果たしうる高度な専門性と豊かな人間性、社会性を備えた実践力のある教員の養成を目指します。
ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)
ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)
教職大学院は、創価大学のディプロマ・ポリシーに基づき、所定の期間以上在学し、所定の単位を修得し、以下のような資質・能力を獲得した者について修了認定し、教職修士(専門職)の学位を授与します。
- 大学の学士課程における学習及び実際の教育経験、社会経験などを踏まえ、学校現場において主体的に自らの課題を設定し、課題解決に向けて探求し続ける、課題解決力
- 各学校、地域で教員たちが教育課題研究、授業研究などをとおして専門的力量を高めあう活動を組織し推進するスクールリーダーとしての資質
- 学校現場で、授業記録、実践記録、観察記録など教育事実に基づく省察とその教育実践の再構成を推進していくことのできる力
- 国内及び国外の多様な制度、実践事例との比較の中で各自の教育実践、各学校の教育を振り返り、整理・再検討し、新たな視点から教育内容、方法を改善・展開していく視野の広い柔軟な思考力
- 実際の教育実践の中から、教育の尊さ、教育者としての悦び、誇りを感受することで培われる高い倫理観と深い使命感
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
教職大学院は、創価大学のカリキュラム・ポリシーに基づき、教職大学院のディプロマ・ポリシーに適う学生を育成するために、2つのコースを設置し、養成する教員像にあわせて特色あるカリキュラムを編成します。
人間教育実践リーダーコース
人間教育実践リーダーコースでは、学校における授業等の教育実践、また学校経営に指導的役割を果たせるよう、人間教育の理念に根ざした豊かな実践的指導力と高度な専門性を背景とした応用力・展開力に富むスクールリーダーを育成するため、特色あるカリキュラムを編成、実施しています。
人間教育プロフェッショナルコース
人間教育プロフェッショナルコースでは、人間教育の理念に根ざした豊かな実践的指導力と高度な専門性に裏付けされた確かな授業力を有し、各学校の有力な一員となりうる教員を養成するため、特色あるカリキュラムを編成、実施しています。(*3年制は修業年限3年間で、教職大学院の教育課程と小学校教諭一種免許状もしくは中学校教諭一種免許状及び高等学校教諭一種免許状取得に必要な学部の教育課程を並行して履修します)。
教育課程編成の特色
- 共通科目については、両コースともすべて選択必修科目にしています。また、教職大学院の教育課程に位置づけることを義務づけられている5つの領域の科目をコアとなる科目として位置づけた上で、それぞれに3科目以上を配置しています。共通科目は、本教職大学院の教員の専門性がフルに発揮される理論的な性質の強い科目群であり、分野別科目で実践な学びを築いていくための基礎ともなる科目群です。(*両コースとも5つの領域から各1科目以上を履修し合計20単位以上の修得が必要です。)
- 分野別科目については、それぞれのコースの独自性を考慮してコースごとの必修科目を設けています。これにより、教育の核となる部分については両コース必修の科目を、各コースの核となる部分についてはそれぞれのコースで必要となる科目を履修し、二つの目的・機能を果たすことができると考えられます。(*両コースとも各コースの必修科目を含め15単位以上の修得が必要です。)
- 実習研究については、人間教育プロフェッショナルコースについては、基本的に東京都公立学校で行います。「実習研究Ⅰ」では40日間、「実習研究Ⅱ」では20日間程度にわたり、教科指導や生徒指導、学級経営等を経験し、自らが学校の諸課題に主体的に取り組むことができる資質・能力を育成します。人間教育実践リーダーコースの「実習研究Ⅲ」については、勤務校等での実践的実習や先進校の研究会への参画、人間教育プロフェッショナルコースの実習研究にメンターとして関わる実習などオンデマンドな実習研究ができるようになっています。
- 国内及び国外の多様な制度、実践事例に触れたり、教育委員会と連携したりする科目により、各自の教育実践、各学校の教育を省察し、理論と実践の往還を実現することで、新たな視点から教育内容、方法を改善・展開していく視野の広い柔軟な思考力を育成します。
- 共通科目、分野別科目の中には、人間教育実践リーダーコースの現職教員学生と人間教育プロフェッショナルコースの学部卒学生が交流を図る科目があり、触発し合う中で教員としての資質・能力の向上を目指します。
- 評価のあり方 学生が身につけるべき能力について、授業ごとのディスカッションやプレゼンテーション、ジャーナルの評価と、学期末の試験やレポート、ポートフォリオ等による評価の両方を組み合わせ、適切に評価します。ティーム・ティーチングによる授業では、研究者、実務家それぞれの見地からの評価をし、協議により最終的な評価を行います。
アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)
アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)
教職大学院は、創価大学のアドミッション・ポリシーならびに教職大学院の特性・役割に基づき以下のように選抜します。
- 優れた教員となるための資質としての基礎学力を有し、かつ教育への強い関心と学習意欲を有していること。
- 他人が幸せになることや成長発達することを心から喜べる人柄であること。
- ものごとを柔軟に捉えることができ、かつ常に自己更新していこうとする学習姿勢を有すること。
上記1.2.3の基本的な資質、人柄であることに加えて、次のような資質を有する学生を期待します。
- 10年以上程度の教職経験を有し、真摯な職務遂行を土台として、自己の実践上の教育課題や解決すべき問題が明確になっている学生(人間教育実践リーダーコース)
- 教育学部あるいは教職課程において幼稚園、小学校、中学校、高等学校等の教員免許を取得し、教師としての情熱や基礎学力を身につけている学生(人間教育プロフェッショナルコース)
- 人文科学、社会科学、自然科学等教員に求められる教養を身につけている学生
- どのような児童生徒に対しても公平で平等な指導ができる人権感覚・国際性豊かな学生
- ものごとを前向きに捉えることができ児童生徒に希望を与えることができる人間性を有する学生
- 学校など職場の同僚と協働できる協調性を有し、かつ保護者や地域の人々と対話し交流できる社会性豊かな学生
以上の教職大学院のアドミッション・ポリシーに基づき、筆記試験(人間教育プロフェッショナル教育コースのみ)や口述試験、志望理由書等の多面的な評価を総合して入学者を選抜します。
アセスメント・ポリシー
アセスメント・ポリシー
アセスメント項目①
実践における省察、課題解決に向けた思考力と指導力(「実習研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」を焦点として)
ディプロマ・ポリシー:「大学の学士課程における学修及び実際の教育経験、社会経験などを踏まえ、学校現場において主体的に自らの課題を設定し、課題解決に向けて探求し続ける、課題解決力」と「学校現場で、授業記録、実践記録、観察記録など教育事実に基づく省察とその教育実践の再構成を推進していくことのできる実践力」に関連するアセスメント項目。
アセスメント指標①
院生個人を対象とする評価
- 学習指導の方法研究Ⅰ:実習に先立つ診断的評価と補充的学習(前期)
- 学習指導の方法研究Ⅱ:実習中における形成的評価と補充的ならびに発展的学習(後期)
- 実習記録に基づくポートフォリオ、報告書の作成:実習中の自己評価、総括的評価(後期)
※人間教育実践リーダーコースの院生は、東京都教育委員会、当該院生の勤務校(実習研究Ⅲの連携協力校でもある)に研修の進捗状況を随時報告するとともに指導助言を受けている。
アセスメント項目②
知識基盤:幅広い知識と実習等をふまえた高度に専門的な思考力
ディプロマ・ポリシー:「国内及び国外の多様な制度、実践事例との比較の中で各自の教育実践、各学校の教育を振り返り、整理・再検討し、新たな視点から教育内容、方法を改善・展開していく視野の広い柔軟な思考力」に関連するアセスメント項目。
アセスメント指標②
院生個人を対象とする評価
- 教員採用試験、指導主事等への任用(修了時)
アセスメント項目③
カリキュラム・授業科目等の適切性ならびに有効性
アセスメント指標③
授業科目を対象とする評価(科目担当者)、研究科を対象とするプログラム評価
- 授業アンケート(春学期、秋学期それぞれの終了後)
- 語り合う会(9月中旬)
アセスメント項目④
学修成果を統合した、現場における協働による課題解決力、実践的指導力、倫理観
ディプロマ・ポリシー:「各学校、地域で教員たちが教育課題研究、授業研究などをとおして専門的力量を高めあう活動を組織し推進するスクールリーダーとしての資質」と「実際の教育実践の中から、教育の尊さ、教育者としての悦び、誇りを感受することで培われる高い倫理観と深い使命感」に関連するアセスメント項目。
アセスメント指標④
究科を対象とするプログラム評価、修了生個人を対象とする評価
- 修了生訪問調査(修了後1年以内)
アセスメント項目⑤
研究科におけるその他の取り組み
アセスメント指標⑤
- 東京都教育委員会と各教職大学院から成る連携協議会による視察:各大学院ならびに連携協力校(年度間各1回)
- 外部評価(年度末)