研究科長
あいさつ

研究科長 吉川 成司

研究科長 吉川 成司

研究科長 吉川 成司

教職大学院制度が発足して10年目を迎え、教職大学院は量的拡大の時期を迎えています。2016年度には18大学で設置され、合計45大学となりました。2017年度にも新たに開設が予定されています。

ここで注目すべきは、教職大学院の拡充が教員養成・採用・研修制度の転換期と密接にリンクしていることです。

「学び続ける教員像」を標榜した「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」(中央教育審議会、2012年)の延長線上に、「学びあい、高めあう教員育成コミュニティの構築」を掲げた「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」(中央教育審議会、2015年)など、教員の養成・採用・研修の一体改革が次々と実施されつつあります。すなわち、多様化・複雑化している現代日本の教育課題の解決に向けて、教員の質的な成長・向上が求められているのです。この点、私たち創価大学教職大学院に引きつけて述べれば、人間教育のエートスを体現した教師が今こそ希求されているといえましょう。

創価大学教職大学院は、創立者・池田大作先生が示してくださった3つの指針を胸に刻みつつ、「実践力・授業力」「地球的視野」そして「豊かな人間力」を育成することをめざしています。そのためには、「理論と実践の往還」が不可欠です。この両者の往還、すなわち現場での経験値を科学の知へと昇華しつつ、科学な知を実践の智慧に展開しゆくためには、「絶えず自己を省みながら、相手の善性を信じ働きかけ、自他ともの向上をめざす」(池田・ガリソン・ヒックマン『人間教育への新しき潮流』より)往還作業が要諦となります。すなわち「『内省的な問いかけ』と『他者への働きかけ』の往還作業」(同上)が根底にあってこそ「理論と実践の往還」が実現できるのです。このことは「学び続ける教員」のあり方にも通じる視座でありましょう。

このように、一歩深い次元から理論と実践を止揚するところに、創価大学教職大学院の理念の眼目があります。人間教育の大道を歩みゆかんとするみなさんの入学を衷心よりお待ちしています。