修了生の活躍

フォーティネットジャパン合同会社
弁護士

 
北田 美由紀 さん
KITADA Miyuki

アメリカ創価大学卒業、創価大学法科大学院・法学未修者 2010年度修了


 #インハウスロイヤー   #グローバル法務   #外資系企業 

Q1, 現在のお仕事内容を教えてください。

 フォーティネットというサイバーセキュリティー製品の開発・販売を事業とする米国企業の日本法人で、インハウスロイヤーとして勤務しています。日本、オーストラリア、ニュージーランドの3つの拠点の法務を担当し、事業に関わる法律問題の解決や契約審査、コンプライアンスなどを行っています。


 インハウスロイヤーの仕事の魅力は、会社の皆さんから「先生」と呼ばれないところ。営業やエンジニアなど、社内の他部署の人たちと同じ立場で対等に連携を取りながら、大きなプロジェクトをまとめたときの達成感や一体感に、大きなやりがいを感じています。

 グローバルに事業を展開しているため、日本法の枠を越えて、諸外国の法律も考慮して対応する力が求められます。日々学ぶことが多く、難しく感じることもありますが、US本社や海外拠点にいる法務メンバーのサポートが手厚いので不安はありません。互いに褒め称え合いながら仕事をするところは、外資系企業ならではの魅力です。

Q2, 法曹界、なかんずく今の進路を選ばれた理由を教えてください。

 私が法曹を志したのは、大学3年生のときでした。メキシコの政治学の講義を受け、低賃金労働者の労働問題について学んだことをきっかけに、このように社会で起きている紛争問題について実践的な立場で関わりたい、そのためにも法律を勉強したいと思うようになり、創価大学法科大学院へ進学しました。

 司法試験に合格後、最初に就職した法律事務所では、企業法務をメインに、一般民事・刑事など幅広い業務に携わりました。就職して3年目を過ぎた頃、今後、どのような弁護士になっていきたいかを考えた末、英語を武器に企業法務の分野で活躍したいと思い、転職を決意。インハウスロイヤーに転向しました。グローバルに展開するビジネスを推進するため、世界各国のメンバーとコミュニケーションを取りながら、法務チーム一丸となって事業をサポートし、貢献することのできる環境にやりがいと楽しさを感じています。

Q3, 創価大学法科大学院での学びが、現在のお仕事にどう活かされているかを教えてください。

 創価法科大学院では、少人数制かつソクラテスメソッド形式の講義を通じて、課題を検討し、議論する機会が多くありました。そこで、基本的な法律知識を一から学び、さらに、それを実務に応用する演習によって、徹底的にリーガルマインドを養いました。

 現在の仕事においては、法科大学院で学んだ法律を扱うよりも、むしろ事業に直接関わる法律や新しい分野の法律を扱うことが多く、一から勉強することがほとんどですが、そうした新しい分野の法律を解釈し、論理的に解決を導く上で、法科大学院で培ったリーガルマインドはなくてはならない土台となっています。
 
 また、法科大学院時代、毎週末、合格者の先輩がキャンパスに来てくださり、その週の学習範囲を試験し、ゼミ形式で講義してくださっていました。このようなアウトプット中心のゼミで培った論述力は、日々の契約審査において相手方と契約交渉をする上で非常に役に立っています。

Q4, 後輩へのメッセージをお願いします。

 司法試験への挑戦を通じて学んだことは、「勇気を出して挑戦する」ということです。
 
 創立者の言葉に、「青春の失敗とは、失敗を恐れて挑戦しないこと」とあります。つまり、失敗を恐れて挑戦しないこと以外に失敗はない、ということだと思います。

 挑戦の壁が高いほど、努力を積み重ねた結果はすべて自分自身の成長につながります。

 もし今少しでも法曹の仕事に興味を持たれている方は、ぜひ卒業生の先輩方に話を聴いてみてください。

PROFILE

  • きただ みゆき KITADA Miyuki
    [出身]大阪府
    [好きな言葉]
    ・「あれになろう、これに成ろうと焦るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作りあげろ。
      世間へ媚びずに、世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値打ちは世の人がきめてくれる」
      (吉川英治著『宮本武蔵』)
    ・「本当に大切なものはね、目には見えないんだよ
      きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ」
      (サン=テグジュペリ著 『星の王子さま』)
    [趣味]
     筋トレ、食べ歩き
    [最近読んだ本]

    ・古来種野菜を食べてください。(高橋一也)

    掲載日:2022年2月1日