法学部「国際平和・外交チュートリアル」の授業で国連開発計画(UNDP)前駐日代表の近藤哲生氏が講演されました
国連開発計画(UNDP)で昨年まで駐日代表を務められた近藤哲生氏が「平和と持続可能な開発の相互関係:進化する国連の使命と人間の安全保障」とのテーマで、7月10日の法学部「国際平和・外交チュートリアル」の授業で講演を行いました。
近藤氏はまず、外務省に入省後、外交官として経験を積まれた後、UNDPに移られ国連職員として活躍してこられたこれまでのご自身の来歴について紹介されました。UNDPでは調整官や代表として派遣された東ティモール、コソボ、チャドなどで貧困問題の解決や紛争後の復興のために現地政府と協力し奮闘された様子について語られました。現場での体験にもとづく臨場感のあるお話に学生も食い入るような眼差しでお話に耳を傾けていました。
さらに、UNDPの役割やSDGsの現状に触れられ、特にSDGsの達成のために国際金融体制の見直しやジェンダー平等の実現と女性のエンパワーメントの重要性を強調されました。
受講した学生からは、「特にチャドのお話が印象に残りました。イスラム地域において、宗教上の問題で女性に会うことができず、ワクチンを赤ちゃんに打つ事ができないという状況に対し、大統領との交渉でワクチン接種を実行され(中略)言葉や宗教の違いがある中でも一人の人間と誠実に向き合いながら着実に世界平和を構築されてきた近藤先生の体験に、人間の可能性の大きさを感じました。どんなに難しそうにみえる社会問題も、当事者意識に立ち、具体的に行動を起こすことで乗り越える事ができると学びました。」といった感想がありました。また、「キャリアパスについてもお聞きすることができ、進路に悩んでいる私にとって、キャリアの観点からも充実した時間となった。」などといった声がありました。
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