2024年度「ビジネス&ロー・ワークショップⅠ」
-産業界の様々な業界からの講師によるワークショップを通じて、各業界の法律問題を認識し、その解決策を真剣討論する形のワーク型講座-
担当教員 松田佳久
「ビジネス&ロー・ワークショップⅠ」は創価大学法学部法律学科の4つのコースのうちの1つである「ビジネス法務コース」の中核の一つです。この講座では、産業界の様々な業界から講師としてお越しいただき、学生はグループを作り、講師から出された課題をグループで検討して、場合によっては解決策まで発表します。課題は、講師の属する業界の法律的な諸問題です。受講生は各業界の法律問題を認識し、それについて考えることにより業界をより深く知ることができます。そして、それが、自身がどの業界に興味があり、どの業界に進みたいかを判断する一つの材料になります。
2024年度は85名の受講生でした。この講座は経営学部と連携をしており、経営学部生も34名受講していました。経営学部生は経営をやるためには、法律も勉強する必要があるということで、この講座を受講しています。
出版業界、医療関連サービス業界、流通・小売業界、不動産・マンション業界、広告業界、不動産鑑定士、銀行業界、税理士、建設業界、新聞業界、証券業界、旅行業界から講師としてお越しいただきました。
出版業界は経済法令研究会の地切様にお越しいただき、出版に当たって必要な著作権等の問題が課題として出されました。流通・小売業界では不当景品類及び不当表示防止法に関する問題が課題として出されました。
不動産業界では特にマンションで問題になる管理組合のあり方について課題が出されました。そして、講師はマンション管理士でもある吉次様ですが、管理組合が持ち回りで毎年理事が入れ替わるマンションがいまだ多く、マンション管理が滞っている状態であり、近年では、この管理を第三者に委託することもでき、これからは良い方向に変化していくのではないかとのことでした。
広告業界では、広告会社と依頼主との契約や広告会社の内部組織のことや収入源などのほか、電通と博報堂のライバル同士の関係についてもお話があり、受講生は興味を持ったようです。
建設業界では、業界が人手不足に陥っており、地域建設業としてSNSも含め、広報担当としてどのようにすれば人材が集まるのかアイデアを出してほしい旨が課題として出されました。
新聞業界では新聞情報の重要性とその活用の問題、旅行業界では旅行契約に関する問題、証券業界では株式・社債といった金融商品に関する問題などが課題として出されました。
不動産鑑定士は、担当教員である松田が顧問をしている㈱三友システムアプレイザル様から上田様と串田様の2名の不動産鑑定士がいらっしゃいました。不動産鑑定士は、土地の地価に関連する様々な指標(固定資産税評価額、路線価、公示価格等)の作成に携わっている旨のお話がなされました。
税理士としては太田勇輝様が講師を担当なさいました。法人に限らず、個人に対しては、相続税、所得税等の様々な税金の申告だけではなく、相談業務も重要な仕事になっている旨のお話がありました。
銀行業界では、全国銀行協会の大野雅文様が講師としていらっしゃいました。現在の銀行業界の状況などをご講義なさいました。


