法学部「地球平和共生チュートリアル」の授業で国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所の葛西伶氏が講演されました

UNHCR駐日事務所の葛西伶氏が5月28日に行われた法学部「地球平和共生チュートリアル」の授業でコース生に講義を行いました。

「難民問題と国連」と題した講演で葛西氏はまず、「難民」という人はおらず、「難民をバックグラウンドに持つ人」がいるのだとお話しされました。それぞれ元いた国では会社員であったり、弁護士であったり、医者であったり、学生であったり、一人ひとりに人生の歩みと暮らしがあったことを強調されました。そうした難民が現在世界で約1億2000万人にのぼることをふまえ、UNHCRを中心とした様々な支援の例を示されました。また、日本には約4万5千人の難民がおり、支援の一つとして本学も参加するUNHCRと日本の大学が連携した高等教育支援(RHEP)プログラムが行われていることにも触れられ、実際に支援を受けた難民の様子などが紹介されました。

さらに、今後の難民支援のあり方として、国際社会、政府、自治体、市民社会、企業や大学などが連携した社会全体としてのアプローチの必要性を訴えられました。また、ご自身のキャリアパスで得られた知識や経験が難民支援にどのように活かされているのか、またUNHCRでの活動に取り組む中で学んだことなどを紹介されました。

受講した学生からは、「これまで難民という言葉で一括りに考えてしまっていた自分に気づき、一人ひとりの人生や背景を知ることの大切さを改めて感じました。また、難民として日本に来た方たちのたくましさから、自分のほうが学ぶことが多いという葛西さんの言葉も印象的でした。」といった感想がありました。また、「RHEPプログラムのように、政府・教育機関・UNHCRの三者が連携することで、より長期的・構造的な支援が可能になる点も新鮮でした。」などの声がありました。

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