法学部「地球平和共生ワークショップ」の授業で東京大学未来ビジョンセンターの江守氏が講演!
昨年12月17日、法学部「地球平和共生ワークショップ」の授業において、東京大学未来ビジョンセンターの江守正多教授をお招きし、「未来ビジョンと地球平和共生」をテーマとする特別講演が行われました。
講演の冒頭では、江守氏よりご自身の研究歴について紹介がありました。国立環境研究所において長年、科学的な将来予測、とりわけ気候変動に関する研究に携わってきたこと、近年は社会との接点を重視し、コミュニケーションの在り方についても研究を進めていることを語っていただきました。
講演は学生との質疑応答を中心に進められ、活発な議論が展開されました。学生からは気候変動を巡る国際交渉(COP)への参加経験や、各国のアプローチの違いについての質問がありました。江守氏は「地球規模の問題は、すでに私たち一人ひとりの生活を脅かしている」とし、夏の猛暑や水害などの具体例を挙げながら危機感を共有することの意義を強調されました。
気候変動対策をめぐっては、技術革新を重視する立場やライフスタイルの転換や社会構造の変革を重視する立場などさまざまな考え方が存在することを紹介され、多様な立場を理解しながら議論を深める必要性を示されました。さらに、人類がいま「化石燃料文明」を卒業しようとしている過渡期にあるとの指摘もされました。かつては化石燃料の枯渇が懸念されていましたが、現在はむしろ余剰が問題となり、その使用をやめる段階に入りつつあります。この流れはすでに世界で始まっており、私たちがどう後押しできるかが問われています。「脱化石燃料」を叫ぶ段階というよりも、いつの間にか社会が化石燃料を「卒業」していた、そのような状況を作っていく、われわれの姿勢が問われていると語られました。
受講した学生からは「人類は『化石燃料文明』を卒業しようとしているという表現は、私にとって新鮮で、危機を前向きな変化として捉えられる点がとても印象的でした。」といった声や「気候変動というものは全人類全生物が関わる問題であるからこそ、たくさんの見方があります。だからこそ、気候変動について言及する時伝える時は、その方法・言い方がとても重要であることを改めて認識させられました。」といった感想がありました。