2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップ
気候危機に対する創価大学の対応
カーボンニュートラル達成に向けたロードマップ作成の背景
創価大学は、10か年の中長期計画「Soka University Grand Design 2021-2030」*1を策定しました。その後、2021年4月に「学校法人創価大学気候非常事態宣言」*2を発出し、その中で、「2050年、カーボンニュートラルを目指して、再生可能エネルギーの一層の拡大導入及び省エネルギーに努めていくこと」を明記しています。
「Soka University Grand Design 2021-2030」では、持続的に発展するための「経営基盤の構築」の中で、「キャンパス整備:サスティナブルキャンパスに向けた計画の検討」を掲げており、今般、2050年カーボンニュートラル*3達成に向けたロードマップを作成し、随時更新しています。
今後も、ロードマップの更なる具現化を、専門家や国・地域・大学などの関係機関と引き続き連携して行い、気候危機対策を着実に実行していきます。

Scope1及び2*⁴の算定結果及び排出削減ロードマップ
Scope 1及び2*⁴の温室効果ガス排出量の算定結果の更新(2025年2月28日現在)
Scope1及びScope2*4の温室効果ガス排出量を算定しました。
2015年度から2019年度に排出量が減少した主要因は、エネルギー効率の向上によるエネルギー消費量の減少(機器の刷新、省エネの推進等)に伴うCO₂排出量の減少があげられます。また、2020年度に排出量が大きく減少した主要因は、新型コロナウィルス感染症拡大による活動制限下でのエネルギー消費量の減少です。
2021年度以降は、アフターコロナで学内での対面活動の再開によりエネルギー消費が増加したため、排出量が微増となっていますが、2022年度から開始した非化石証書の購入や購入電力の排出係数低下により排出量が低減傾向にあります。
一方、2023年度の電力使用量は2015年度比で5%減に留まり、2022年度から2023年度にかけては微増となりました。より積極的な削減対策を実施していく必要があります。
<Scope1,2排出量算定結果>
<電気使用量の推移>
Scope 1及び2の温室効果ガス排出削減ロードマップ
Scope1及び2の温室効果ガス排出量の算定結果を踏まえ、学校法人創価大学では、2050年度カーボンニュートラル達成に向けて、基準年を2015年度に、中間目標年度を2030年度に設定しました。
中間目標年度に、温室効果ガス排出量を基準年度比50%削減するため、「省エネルギー」と「創エネルギー」に関する施策、グリーン電力への切り替えを実施します。
2031年度以降に関しては外部環境の進展を踏まえ、自主的取り組みを強化し、カーボンニュートラル達成の前倒しを図ります。
Scope3*⁴の温室効果ガス排出量算定結果及び今後の対策
Scope3の温室効果ガス排出量算定結果の更新(2025年2月28日現在)
15のカテゴリ(事業活動)が存在するScope3のうち、大学の事業活動による排出量が多いと考えられる6つのカテゴリを対象に、2015年度以降の排出量を算定しました。
排出量が最も大きいカテゴリは、カテゴリ2*4となりました。
カテゴリ1*4は、食料品や出版物の購買量の減少により、2023年度は基準年度と比較して低減傾向にあります。
下図のScope3における排出量の経時変化を見ると、2020年度以降に排出量の大幅な増加が見られますが、この主要因としてカテゴリ2の増加に該当する建設工事が挙げられます。具体的には、寮の建設(2021年度)、新たな寮の建設および施設改修工事(2022年度)、建物耐震工事、設備更新改修(2023年度)により、各該当年度において排出量が増加しました。
<Scope3排出量算定結果(縦棒)>
<Scope3排出量算定結果(横棒、2015・2022・2023年のみ抜粋)>
下表は、6つのカテゴリにおいて、基準年の2015年度及び最近の排出量(2022年度, 2023年度)を並列して提示したものです。
Scope3の温室効果ガス排出量削減対策
2023年度・2024年度に実施した排出量算定結果を踏まえ、Scope3削減対策として教学面・実効性の観点から、カテゴリ1、5*4において取組を行う予定です。
カテゴリ1では、調達規程における環境配慮文言の追加・環境物品等の調達の推進のための方針策定、カテゴリ5では、廃棄物追跡量の公表・リサイクル率の向上・リユースを目的とした学内不用品取引キャンペーンを実施し、Scope3の実質的な削減に貢献していきます。

学内で決定された各方針及び用語等に関する詳細は、下記よりご覧ください。
*1 2020年5月大綱発表
*2 2021年4月発出
*3カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることです。「排出を全体としてゼロ」というのは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」 から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを意味しています。
詳細は下記のリンクをご参照ください。
*4【Scope1,2,3に関する用語解説】
Scope1,2,3とは事業者と他社を含むサプライチェーン全体の活動により排出される温室効果ガス排出量の算定範囲基準の考え方を示します。
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2 : 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3 : Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)。原材料調達、輸送、通勤・通学、製品の廃棄物等の活動に伴う排出量を示します。
詳細は下記のリンクをご参照ください。
*5 2018年度排出量のうち、Scope3カテゴリ1の購入した製品・サービスによる排出量には、グループ会社「株式会社創学サービス」の2018年度の排出量が含まれていません。 代わりに2022年度の同社排出量を計上しています。