教員の倫理綱領

創価大学は池田大作先生により創立された最高学府である。本学教員は、創立者を敬愛するとともに、その建学の志を理解し、建学の精神として示された三指針を中心に、真摯にかつ熱意をもって、教育および研究にあたるべきと考える。
創価大学の建学の精神の第一は「人間教育」にある。人間は、人と人との間で磨かれ育成される。生命の尊厳を基調とし、豊かな人間性と優れた人格を育むことが創価教育の基本である。第二は「大文化建設」を志向することである。民族、地域の差異を尊重しつつ、さらにそれを包含する地球市民的文化の建設をめざしていくべきである。そして第三は「人類平和」の実現に尽力することである。平和こそ人類の悲願であり、かつまた創価教育の大きな目的でもある。
新しい世紀に入った現在、この建学の精神を掲げた本学の教育には、ますます大きな役割が期待されている。それは、新時代を担う本格的な人材群の輩出にある。本学は「学生第一」を開学以来の指針とし、学生のための教育を掲げてきた。教育に携わる教員に求められるものは、これからの時代を担う学生の成長と幸福をひたすら願い、献身することであろう。
創価大学の使命と責任を考えるとき、ここに大学人としての職業倫理が自ずと要請されてくる。基本的人権を尊重し、知的誠実を貫徹し、社会的責任を果たすことは当然の責務であるが、さらに本学のもつ崇高な目的と教育方針を十分に理解し、実践することにより、本学の発展に寄与すべきといえよう。
教員一同、ここに綱領として示された内容を尊重し、新しい決意をもって、さらなる創価大学の発展を期していきたい。

倫理綱領項目

1.創価大学に対する倫理
教員は、創価大学の構成員であることを深く自覚し、他の構成員に対し敬意をもって接し、ともに協力して、本学の目的の達成に尽くす。
  1. 創価大学の建学の精神を尊重し、その実現に貢献する。
  2. 学内外において、創価大学の宣揚に努め、名誉および信用を傷つける行為をしない。
  3. 法令および学内諸規則を誠実に遵守するとともに、その運用に協力する。
  4. 本務に専念するとともに、本学共同の事業に積極的に参加する。
  5. 本学の資産を適性かつ効率的に管理し、正当な業務目的にのみ使用する。また、公[私の区別を厳格にし、本学の資源を私的利益のために用いない。
  6. 教員同士協力しあい教育の実をあげるとともに、事務職員とも真摯に協力し、相互の連携のもとに大学の円滑な運営に努める。
  7. 役職の任にある者は、率先して関係部署内の倫理意識の向上に努める。
  8. 取引のある業者等との関係は、公正を期する。
2.教育者としての倫理
教員は、教育が単に知識や技能の伝達にとどまらず、人格的行為であることを自覚し、学生の信頼に応えるとともに、自ら進んで自己開発に努める。
  1. 学生の人格および人権を尊重し、いかなる差別、ハラスメントまたは人権侵害も行わない。
  2. 学生の学習意欲を高めるよう努力し、教育内容や方法についても、学生の要望や志向を十分に考慮する。助言を求められた場合には誠実に対応する。
  3. 授業においては十分な準備と熱意をもって臨み、明瞭かつ触発的な授業を心掛ける。
  4. 授業内容および方法について点検するとともに、その改善に努める。
  5. 成績評価、単位認定については公正性を確保する。
  6. 教育活動について、学生からの意見や批判に真摯に耳を傾け、誠実に対応する。
3.研究者としての倫理
教員は、広く価値ある研究に努め、その成果を教育と連動させていくことをめざす。
  1. 学問探究の旺盛な意欲をもって研究に精励し、その成果を公表する。
  2. 研究成果を教育に反映させるよう努める。
  3. 学内、学外いずれの研究費であっても本旨にしたがって、不正にこれを用いない。
  4. 学術研究活動において高い倫理観を保持するように努め、ねつ造、改ざん、盗用他いかなる不正行為も行わない。
  5. 他の研究者の学問的立場を尊重し、その評価に当たっては公正を旨とする。また自身への意見や批判には誠実に対応する。
  6. 受託研究等を行う場合は、利益相反行為を未然に防止するように最大限の配慮をしなければならない。また、万が一利益相反が生じた場合には、その影響力を最小限にとどめるために、本学から要請される必要な事項に最大限協力をしなければならない。
4.社会に対する倫理
教員は、大学が社会的存在であること、また自らも社会人であることから、社会との接点を大切にし、その期待と信頼に応えるとともに、つねに本学の社会的評価を高めるよう努力する。
  1. 大学が公益性をもつことに鑑み、社会への協力を惜しまず、地域社会との融合に努める。
  2. 大学支援者、卒業生および学生の保護者に対して、敬意をもって接する。
  3. 入学試験にあたっては、その公正かつ適正な実施に努めるとともに、受験生には懇切に対応する。
  4. 本学および教員自らの社会的評価を高めるよう努める。
  5. 正確な情報を積極的に公開するとともに、個人情報の保護、業務上知り得た秘密の保持および知的財産権の尊重に細心の注意を払う。
  6. 環境問題を大学が社会的責任を果たしていく上での重要な課題の一つとして認識し、常に環境の保全や資源の保護を心がけた活動を推進する。
  7. 安全衛生に対する意識を高め、その確立に向け不断の努力を重ね、不測の事態に対しては、迅速、的確に対処する。

2004年4月1日制定
2009年4月1日改定