丹木の歳時記2024 文月(三)

炎天下の「文学の池」で、ヒキガエルが話かけてきました。「この暑い最中に何をしているんだい?」まるで昔からの知り合いのような口調です。「歳時記の写真を撮っているのさ」「そういえばこの前もトンボに気をとられて池に落ちてたよね」よもや目撃されていたとは不覚です。「こうも暑いとなかなかやる気も出ないだろう」そういうカエル君も汗だくです。「君、ひょっとしてそれがかの有名なガマの油なのかい?」と聞くと彼は頷きました。「そうさ。かつては軟膏として人気もあったけど、最近は商売あがったりでね」「君もなかなか大変だね」「今更商売替えは難しいからね」そのわりにはケロッとしていますが、もともとそういう顔なのでしょうか。「ところでその歳時記とやらは何回くらい書いているの?」「今回で650回目だね。毎回無い知恵を振り絞ってるんだよ」「あとどれくらい続けるつもり?」「まあ、足腰が立つうちはね」「マンネリ化しないようにせいぜい頑張ってくれよ」彼はそう言うと芭蕉の句を知ってか知らずか池に飛び込む水の音だけを残して去っていきました。後になってふりカエルとヒキガエルは春から初夏の繁殖期以外は水に入らないはず。とするとあれは白日夢か熱中症による妄想だったのかも知れません。

文学の池
文学の池
蓮(ハス)
蓮(ハス)
コシアキトンボ
コシアキトンボ
クロイトトンボ
クロイトトンボ
ベニシジミ
ベニシジミ
スジグロシロチョウ
スジグロシロチョウ
山百合(ヤマユリ)
山百合(ヤマユリ)
ヤナギハナガサ
ヤナギハナガサ
小葉擬宝珠(コバギボウシ)
小葉擬宝珠(コバギボウシ)
狐の剃刀(キツネノカミソリ)
狐の剃刀(キツネノカミソリ)
昼顔(ヒルガオ)
昼顔(ヒルガオ)
槿(ムクゲ)
槿(ムクゲ)

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