研修期間 2026年2月28日(土)~3月9日(月)
研修先 ザンビア大学、ザンビア大学附属病院、Kafue General Hospital、Health Center、障害児NGO施設、
ロシナンテス事務所
参加人数 16名

ザンビア大学訪問

ザンビア大学を訪問し、開講式への参加、佐々木学部長による講義の聴講、ならびにザンビア大学看護学部の学生との交流を行いました。開講式には副総長にもご臨席いただき、温かい歓迎のお言葉を賜りました。講義では、日本の社会背景をもとにした医療課題や看護教育の特徴について説明があり、参加者にとって理解を深める貴重な機会となりました。また、学生同士の交流では、日本とザンビアにおける看護教育課程の特徴や実習体制の違いについて意見交換を行い、相互理解を深めることができました。    

ザンビア大学附属病院視察

ザンビア大学附属病院を訪問し、急性期病棟や有料個室病棟を看護師の方の案内のもと見学しました。現地の医療体制や看護実践について説明を受け、日本の大学病院と比較しながら理解を深める貴重な機会となりました。医療機器や設備には限りがあるものの、患者家族や友人が療養生活を支え、看護師が状況に応じた柔軟な援助を行っている点が印象的でした。見学を通して、医療資源の違いを踏まえつつ、人と人とのつながりを基盤とした看護の重要性を学びました。

Kafue General Hospital視察

Kafue General Hospitalを訪問し、外来、診察室、一般女性病棟を中心に、地域住民を支える郡病院を視察しました。医療資源が限られている状況下においても、トリアージによるアセスメントの実施や、入院患者の疾患傾向・件数を数値化するなど、組織的な病棟管理が行われている点が印象的でした。また、公的医療保険制度であるNIMAにより、国として優先的に支援対象とする高齢者および子どもの医療費が保障されていることを学びました。日本とは異なる保険制度の仕組みを知ることで、国の社会背景に応じた医療保障制度の在り方について考察する機会となりました。

Health Center視察

ザンビアの村にあるヘルスセンターを見学させて頂きました。同センターでは感染症が主要な疾患であり、子どもから大人まで多くの患者が診療を待っていました。また、ザンビアの保健課題の一つである周産期医療の現場では、分娩室や母親学級を見学し、母子保健の取り組みについて学びました。母親学級の実施に加え、施設分娩の推奨や家族計画に関する相談支援を行い、妊産婦死亡率および新生児死亡率の低下に向けた実践がなされていました。これらの見学を通して、村の住民が最初に訪れるヘルスセンターでは、ザンビアの文化や慣習、価値観を尊重しながら、限られた医療資源の中で地域に根ざした医療が展開されていることを学びました。

障害児NGOの施設見学

ザンビアにある障害児NGO施設を訪問しました。ザンビアでは、障害児を家の外に出すことを躊躇する家庭があります。また、ザンビアも日本と同じく、障害児それぞれの状態に合わせた教育的な関わりが必要です。そのため、5歳〜10歳の障害を抱える子どもを受け入れ、寄宿舎での生活と自立に向けてのプログラムを経験していました。スタッフは子ども1人ひとりの特徴や将来的にどのようになりたいと希望しているかを聞き取り、個別性に合わせて対応することを心掛けていらっしゃるとのことでした。また、施設を必要な方が利用出来るように、障害を持つ子どもの親の集まりに出向き、施設の紹介をすることで子どもたちが何が出来るようになるのかを伝える活動も行っています。施設では、障害があることは出来ることを何も持っていない訳ではないとの考えのもと、出来ることを伸ばし、子どもの将来的な自己実現に向けて活動されているということを学ぶことが出来ました。

ロシナンテス視察

ザンビアとスーダンで母子保健事業や結核事業に取り組むNGOであるロシナンテスの事務所と、ザンビアのムワプラ村にあるマザーシェルターを訪問しました。ザンビアでは、家から診療所までの距離が遠く、路上での出産や自宅での出産に繋がり母子が命の危険に晒されるという課題があります。また、迷信や知識の不足から、母子の身体の異常に正しく対処ができないリスクもあります。これらの課題への取り組みとして、安全なお産に繋げるため、マザーシェルターでは出産前から滞在できる部屋や分娩室が備えられていました。また、村のボランティアの方々が歌や演技を通して母子に現れる危険なサインを啓発する活動も目にすることができました。事務所でのお話や村での活動の視察から、ただ外部から支援を届けるだけではなく、現地の方々が自ら健康のために実践ができる、持続可能な取り組みを支援することが重要であると学ぶことができました。視察の後には、村の方々からザンビアの主食である「シマ」を使った現地料理をご馳走になりました。

閉校式

ザンビア大学を訪問し、開講式への参加、佐々木学部長による講義の聴講、ならびにザンビア大学看護学部の学生との交流を行いました。開講式には副総長にもご臨席いただき、温かい歓迎のお言葉を賜りました。講義では、日本の社会背景をもとにした医療課題や看護教育の特徴について説明があり、参加者にとって理解を深める貴重な機会となりました。また、学生同士の交流では、日本とザンビアにおける看護教育課程の特徴や実習体制の違いについて意見交換を行い、相互理解を深めることができました。    

リビングストン観光

研修の最後にはリビングストンを訪れ、世界三大瀑布の一つであるヴィクトリアの滝を見学したほか、ザンベジ川でのサンセットクルーズやサファリパークを体験しました。ヴィクトリアの滝では圧倒的な水量と迫力に驚かされ、サンセットクルーズではカバやゾウとの出会いもありつつ、夕日に染まるザンベジ川の美しい景色を間近に感じることができました。また、サファリパークではキリンやシマウマ、インパラ、バッファローに加え、希少なシロサイにも出会うことができました。こうした観光体験を通して、ザンビアの雄大な自然の魅力を肌で感じるとともに、忘れがたい貴重な思い出となりました。

参加者の声

【参加動機】
 ザンビアで暮らす人々がどのような希望や思いを持ちながら生活をされているかを学びたいと思い、ザンビア研修に参加しました。中学生の時に創立者池田先生が「21世紀はアフリカの世紀」と言われ、アフリカの人々に期待し、励まされているということを知りました。私にとって、アフリカは発展途上国であるという印象が強かったため、それらの言葉に衝撃を受けました。そこからアフリカについて学ぶ中で課題だけではなく、そこで生きる人々の力強さを知り、実際に行って会って、希望や思いを聞きたいと思いました。また、春学期に行われた、ザンビア大学 看護学部 ムワペ学部長の講演に参加し、看護師には寄り添いが大切であり、看護の本質であるとの言葉が特に印象に残りました。寄り添いは私も大切にしていますが、健康問題や学ぶ環境も全く違うザンビアでも同じ思いを持って看護をされている人がいる事が衝撃的でした。そのため、もっとザンビアで医療に関わる人の思いを知り、私自身の思いを共有することで看護観を深めたいとも考え、参加を希望することを決めました。                                                                     

【研修を通じて学んだこと】
 何よりもアフリカの人々のエネルギーの強さが印象に残っています。特にマザーシェルターを見学した際には田舎にある村の妊産婦とマザーシェルターをつなぐボランティアであるSMAGsの皆さんからは、自分のコミュニティにいる妊産婦と子どもを助けたいと情熱を持ち、何時間も歩いてマザーシェルターと自分の村を往復し、地道に活動をしている姿が印象的でした。ザンビアの医療には国外からも支援が届いていますが、何よりもザンビアの人々の助け合う心や自分の国やコミュニティへの思いが根底にあることで、医療と地域の人々の結びつきが作られていることを学びました。一方で、日本も少子高齢化をはじめとした社会課題を抱えているように、ザンビアも母子保健や感染症など、多くの医療課題を抱えていることを見学を通して理解しました。さらに、それらの問題はただ医療技術を発展させれば解決できるものではなく、人々の理解が広まるのも必要だと学び、すべての人が平等に医療を受けられるようにするためには、さまざまな職種やその地域で暮らす人々との協力が欠かせないものであることを学びました。                                                     

【今後の夢】
 今回、ザンビア国際看護研修を通して異なる文化や社会背景の上に成り立っている医療や看護の日本との違いを学び、多くのことに衝撃を受けました。しかし、現地の看護師や看護学生、ボランティアの方たちと話していると、「目の前の人を助けたい」「患者さんや家族の生命や思いを大切にしたい」といった根源的な思いは、遠く離れたザンビアと日本でも共通していることを学びました。普段の授業や実習で膨大な勉強量に悩まされたり、看護師の忙しさを目の当たりにしたりすると、目の前のことに必死になって「何のために看護をするのか」という自分の原点が遠ざかってしまいそうになりますが、その思いを常に胸に置き、誰に対しても誠実に生命の尊厳を守りゆく看護をしていきます。