東京大学・小林篤史准教授を迎え、リサーチセミナーを開催
2026年10月21日(水)、国際教養学部とマレーシア研究センター(CMS)は、東京大学大学院経済学研究科の小林篤史准教授を迎え、リサーチセミナーを開催しました。当日は、学部生・大学院生・教員ら40名以上が参加し、駐日シンガポール大使館からもMs. NYANG Bing Pei一等書記官にご臨席いただきました。
講演のテーマは、「19世紀のグローバル経済における相互連関と地域の自律性―シンガポールと東南アジアを事例に」(Interconnectedness and Regional Autonomy in the Nineteenth-Century Global Economy: The Case of Singapore and Southeast Asia)。杉本一郎国際教養学部長による挨拶と講演者紹介に続き、小林准教授が、シンガポールを中心とした東南アジアの域内貿易の発展について、グローバル経済史の視点から講演しました。
小林准教授は、19世紀の東南アジアの経済変容を、欧米を中心とする世界経済への組み込みだけで説明するのではなく、それ以前から存在した地域の交易網やアジア商人の活動に注目することの重要性を指摘しました。シンガポールは、各地の商品を集めて再分配する中継貿易港として発展し、米などの商品市場や通貨・金融の結びつきを通じて、地域間の経済関係を深めたことが紹介されました。
また、錫などの輸出拡大が雇用や所得の増加をもたらし、食料や生活必需品への需要を通じて、周辺地域の生産や貿易を支えたことを解説。世界経済との結びつきと地域内部の経済活動が、相互に作用しながら発展する過程が示されました。さらに、地域統合が進む中でも発展のあり方に違いが生じた背景について、労働力や土地、制度などの条件から考える視点が提示されました。
今回のセミナーは、歴史資料や貿易・物価データに基づく研究に触れながら、世界と地域の関係を多角的に捉え、現代にもつながるグローバル化と経済発展への理解を深める機会となりました。
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