人文学専攻

人文学専攻は総合的な人間文化研究を目的とし、哲学歴史学専修、日本文学日本語学専修、仏教学専修の三つの専修からなっています。哲学歴史学専修は、文化の基底である人間自身に着目し、人間観を部分観としてではなく全体観の上から把握し考察することをめざします。

カリキュラム

教育課程の概要について

カリキュラムの特長

人文学専攻
特色

人文学専攻は総合的な人間文化研究を目的とし、哲学歴史学専修、日本文学日本語学専修、仏教学専修の三つの専修からなっています。
哲学歴史学専修は、文化の基底である人間自身を、部分観としてではなく全体観の上から把握し考察するところにその特色があります。すなわち、哲学的・理念的研究と歴史学的・実証的研究とを、ともに視野に入れた学問の構築にその目標をもっています。
また、日本文学日本語学専修は、日本文学と日本語学の2つの分野を中心として研究する専修です。文学、語学という2つの分野は相互に関連していますから、総合的立体的な研究が可能となります。
また、仏教学専修は、インドに生まれ、広く世界に広まっている仏教の文献学的、思想的な研究に基づき、人類の平和、文化に寄与することを目標としています。

領域/研究・教育の内容

主として、下記の専門領域の研究・教育となります。

哲学歴史学専修

  1. 近現代を中心とした哲学・思想
  2. 日本史、西洋史、東洋史およびユーラシア史

日本文学日本語学専修

  1. 日本古典文学、近代文学、中国古典文学
  2. 近代日本語学
  3. 日本語教育

仏教学専修

  1. インド仏教、中国仏教、日本仏教の歴史と思想の研究
  2. サンスクリット語、パーリ語、中国語、日本古文書の仏教文献の文献学的研究
教育方法/指導カリキュラムの特色

3専修ともに前期課程においては、専修全体での教育指導体制をとることによって、「専門的職業人」の育成をめざします。
具体的には、科目群を「基礎科目」「演習(研究指導)」「専門科目」の3区分としています。基礎科目としてそれぞれの学問領域の研究法を学び、また、外書・文献研究などをします。

演習は「演習a」を必修とし2年間連続しますが、この担当者が指導教授となります。専門科目は特論を中心とした講義科目と、「演習b」があり、この「演習b」の担当教員が副指導教授となります。

そのほかに、他専修や他専攻の科目、あるいは必要に応じて学部の科目なども履修することが望ましいこともあります。そして、前期課程は修士論文の提出をもって修了となりますが、修士論文の代わりにリサーチペーパーの提出でも可能です(詳細は当該個所参照)。 とにかく、この前期課程の2年間はきわめて多忙で充実した2年間となると思います。語学をはじめしっかり身につけていただきたいと思います。

さらに後期課程については、博士号の取得が目標となります。教育、指導もそれに向けたものとなります。各自の研究テーマもかなりしぼったものとなるでしょうし、先行研究を踏査することで自己の研究のオリジナリティを位置づけることも必要です。後期課程の大学院生には専門学会などにおける口頭発表、査読のある研究雑誌への論文投稿など、「高度な専門的職業人」へ向けての着実な研究活動が望まれます。

カリキュラム情報

前期課程
在学期間

4セメスター(2か年)在学する。

修了単位数

修士論文作成者:31単位
リサーチペーパー作成者(2本作成する場合):31単位
リサーチペーパー作成者(1本作成する場合):33単位

※通算GPA2.5以上が修了要件になります。

指導教員の選定

指導教員は「主指導教員」「副指導教員」各1名の合計2名です(人文学専攻は「主指導教員」1名のみです)。どの教員を「主指導教員」「副指導教員」にするかは、入学後の研究科ガイダンスの際に学生の意見を聞いた上で決定します。
履修方法は、「演習a:主指導教員」「演習b:副指導教員」です。
セメスターごとに異なった指導教員から指導を受けることも可能ですが、2年次以降の指導教員は同一であることを原則とします。

学位論文の指導科目

「修士論文作成者」「リサーチペーパー作成者」は、いずれの場合も指導科目は「演習a」「演習b」です。

履修登録

履修登録は、必ず指導教授等の指導のもとに履修計画を立て、ポータルサイト・学修支援メニューにある「履修・成績(WEB)」から行うこと。
履修計画を立てる際に指導を受ける教員は、その学生が履修する「演習a」の担当教員です。

その他の科目

指導教授などの承認を得て、ほかの研究科・専攻、他大学の授業科目を担当者の許可を受けて10単位以内で修得することができます。

履修単位数の制限

各セメスター、12単位を原則とします。

学位論文の提出

2年間で修了する場合(2年次秋学期の1月に学位論文提出)は、以下のとおりです。

〔論文題目・研究計画書の提出〕

修士論文の場合:2年次の6月末頃
リサーチペーパーの場合:2年次の9月末頃

〔学位論文の提出〕

2年次秋学期の1月上旬
学位論文の提出のためには、論文提出時までに20単位以上の単位を修得しておく必要があります。1年次が終わる時には20単位以上修得しておくことが目安です。

後期課程
在学年限

6セメスター(3か年)在学する。

修了要件

研究科共通科目「研究特別指導」2単位、研究指導科目「特殊研究指導」12単位の合計14単位を修得し、博士論文を提出し合格する。

研究の進め方について

1.課程を経て博士学位請求論文(以下、博士論文とよぶ)を提出する者は、以下の両要件を満たすこと。

  1. 文学研究科が開催する公開の博士論文資格審査会で論文概要を発表し、質疑を受け、「博士学位請求論文提出資格者」(Ph.D. Candidate) と認められること。
  2. 次のaまたはbの条件を満たすこと。

a.国際的または全国規模の学会・研究会などの学会誌、またはそれに準ずる学術刊行物に、査読を経た研究論文を1本以上掲載、または掲載が決定していること。
b.国際的または全国規模の学会・研究会などにおいて、2回以上の口頭発表を行なう。かつ大学など研究機関の雑誌・紀要などに、研究論文を1本以上掲載、または掲載が決定していること。

2.博士論文の提出および審査過程

  1. 上記1の両要件を満たした者は、博士論文を、指導教員の承認を得たのち提出することができる。提出時期は各年度の8月末、3月末の2回とする。
  2. 上記資格者から博士論文が提出された場合、研究科委員会は主査1名、副査2名の審査委員会を研究科長の下に組織し、審査に入る。審査は原則として審査開始から1年以内に終了する。
  3. 審査委員会は、論文内容の審査、提出要件の検討を経て、提出者との最終試験を行い、学位授与の可否を決定する。
  4. 研究科委員会は審査委員会からの報告を受け、審議を経て、合否を判定する。
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教員一覧

人文学専攻 教員一覧

教授

准教授

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学位論文

学位取得論文の紹介

課程博士

学位取得者:前川 一郎 指導教員:浅田 實 授与年月日:2004年3月19日
論文題目
南アフリカ連邦の形成 1899 ― 1912 ―イギリス帝国支配と白人支配体制の生成―
内容の要旨および審査結果の要旨
学位取得者:伊藤 貴雄 指導教員:石神 豊 授与年月日:2006年9月23日
論文題目
初期ショーペンハウアーの社会哲学的研究
内容の要旨および審査結果の要旨
学位取得者:柳沼 正広 指導教員:石神 豊 授与年月日:2012年3月21日
論文題目
エラスムスとルネサンス・ヒューマニズム-宗教改革前夜の異教文学
内容の要旨および審査結果の要旨
学位取得者:韓 雯 指導教員:西田 禎元 授与年月日:2012年3月21日
論文題目
日中古典詩歌における「梅」のイメージ比較
内容の要旨および審査結果の要旨
学位取得者:王 玉玲 指導教員:坂井 孝一 授与年月日:2012年9月15日
論文題目
中・日災異の比較研究 ―政治・社会との関係を中心に―
内容の要旨および審査結果の要旨
学位取得者:松森 秀幸 指導教員:菅野 博史 授与年月日:2013年3月21日
論文題目
荊溪湛然における天台法華経疏の注釈に関する研究
内容の要旨および審査結果の要旨
学位取得者:張 楠 指導教員:西田 禎元 授与年月日:2013年3月21日
論文題目
『源氏物語』と道家文化
内容の要旨および審査結果の要旨
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学位論文審査基準

修士論文、リサーチ・ペーパー、博士論文における審査基準について

修士論文(リサーチペーパーを含む)審査基準

(各項目25点、合計100点)

  1. (問題、目的、方法)研究における問題意識が明瞭であり、目的に応じた方法がとられているか。
  2. (先行研究、独創性および発展性)先行研究への理解をもち、論文に独創性があり、また発展性を含むものであるか。
  3. (論理構成、充実性)章立てや、展開が論理的になされ、内容的にも充実しているか。
  4. (文献・資料、引用など)文献や資料への理解をもち、引用や注記の仕方、参考文献の表示などがルールに則ったものであるか。

(そのほか)①規定文字数の充足(日本語で執筆の場合、修士論文は40,000字以上、リサーチペーパーは20,000字以上。英語で執筆の場合は大学院要覧の該当箇所を見ること)。② 内容に関する公開の発表(学内外を問わない)をすること。

博士論文(課程による)審査基準

以下の項目を審査して、総合的に可否を判断する。

  1. テーマの独創性とその意義の明示
  2. 先行研究の分析と評価
  3. 論文構成(章立てを含む構成全般)の適切さおよび充実度
  4. 内容および文章の論理性および明晰さ
  5. 文献(外国語文献、種々の資料など)使用の適切さおよび読解の正確さ
  6. 註および参照文献の適切さおよび充実度
  7. 提出論文に対する自己分析および今後の展望など

(そのほか) ①規定文字数(日本語で16万字程度)の充足 ②論文提出の要件については、『大学院要覧』の「研究の進め方などについて(博士後期課程)<文学研究科>」をみること。

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紀要

人文学専攻における学報

2023年度

掲載者
紀要 課程 筆者
現実化としての『超越論的方法論』 後期課程 清田 俊介
『金光明経文句』の基礎的研究 ―懺悔品解釈を中心に― 前期課程 高原 維斗士
吉蔵『法華統略』における薬草喩品解釈について
―他の法華経疏との比較を含めて―
前期課程 田原 洋治
掲載論文

https://soka.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=custom_sort&search_type=2&q=1709596764997

2022年度

掲載者
紀要 課程 筆者
『観音義疏』の基礎的研究 -引用の特徴を中心に― 前期課程 向江 千絵
天台智顗の華厳経観 ―日照高山の譬喩を中心に― 前期課程 海野 昌城
掲載論文

https://soka.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=custom_sort&search_type=2&q=7948

2021年度

掲載者
紀要 課程 筆者
吉蔵における「一乗」解釈  ―『勝鬘経』受容の観点から― 前期課程 須藤 優
「夫」の自己回復と「妻」との訣別 ―野坂昭如「受胎旅行」における本文異同をめぐって― 後期課程 徳永 淳
掲載論文

https://soka.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=custom_sort&search_type=2&q=7926

2020年度

掲載者
紀要 課程 筆者
明曠『天台菩薩戒疏』「教摂」における化法の四教
―智顗『菩薩戒義疏』「階位」との比較を中心に―
後期課程 大津 健一
灌頂撰『大般涅槃経疏』、『大般涅槃経玄義』における仏性説
開善寺智蔵との対比を中心に
前期課程 泉 健一
『法華文句』釈如来寿量品における品題釈の基礎的研究 前期課程 藤村 光一
掲載論文

https://soka.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=custom_sort&search_type=2&q=7884

2019年度

掲載者
紀要 課程 筆者
智顗における性戒と戒体論 後期課程 大津 健一
智顗の「四悉檀」解釈 ―法華経疏と維摩経疏の比較を中心として― 前期課程 石田 幸司
智顗著作における一心三観説の研究 『三観義』と『維摩経玄疏』「三観解釈」の比較対照を中心に 前期課程 野原 耕平
<父親>という存在と軍国教育によって構築された少年の自己評価 
-野坂昭如「ぼくの防空壕」論ー
後期課程 徳永 淳
掲載論文

https://soka.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=custom_sort&search_type=2&q=7854

2018年度

掲載者
紀要 課程 筆者
智顗の戒律思想 ―十善を中心として― 後期課程 大津 健一
『四教義』と『維摩経玄疏』「四教分別」の比較研究 前期課程 横溝 靖彦
1908‐1919 年における英領マラヤ華人の排日運動と日本の対応 前期課程 黄 穎康
掲載論文

https://soka.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=custom_sort&search_type=2&q=7828

2017年度

該当する紀要はありません。

2016年度

掲載者
紀要 課程 筆者
ゲーテの霊魂概念 ―オルフェウス教の影響を中心に― 後期課程 ツグラッゲン エヴェリン
掲載論文

https://soka.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=custom_sort&search_type=2&q=7766

2015年度

2014年度

紀要 課程 筆者
智顗、吉蔵、慧均における感応思想の比較研究 前期課程 左納 悟
吉蔵『法華統略』釈譬喩品の研究 前期課程 黄 穎恩

2013年度

2011年度

2010年度

2009年度

2008年度

2007年度

紀要 課程 筆者
韓国における西田幾多郎 前期課程 孫 惠珍
曹魏(A.D.220-265)の中書任官者について 前期課程 大原 信正

2006年度

2005年度

2004年度

紀要 課程 筆者
米ふつの学書について 後期課程 吉田 悟

2003年度

紀要 課程 筆者
The Socratic Dialogue :A demand for original and imaginative thinking 後期課程 Sebastiaan Jansen
米ふつ『書史』考(一) 後期課程 吉田 悟
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研究指導計画

博士前期課程 哲学歴史学専修・日本文学日本語学専修・仏教学専修

1年次では「基礎科目」を中心に履修し、2年次では「専門科目」を中心とした履修となっており、履修・研究の進め方をオリエンテーション時に説明している。基礎科目・専門科目の履修を通し、基礎的かつ広範な専門知識、問題発見力・論理的思考力・創造的解決力を養い、最終的には、学位論文作成・修了に至ることになる。

研究指導は主指導教員・副指導教員の2名体制で行う。

1年次 4月 入学時オリエンテーションにおいて、履修・研究についての説明および指導教員の通知をする。
主指導教員による指導のもと履修計画を立て、履修登録をする。
4月~7月 それぞれの専門に応じた「研究法」の科目、および他の講義科目の履修
「演習Ⅰa」「演習Ⅰb」の履修
9月 主指導教員による指導のもと履修計画を立て、履修登録をする。
9月~1月 それぞれの専門に応じた「特論」等の講義科目の履修
「演習Ⅱa」「演習Ⅱb」の履修
2年次 4月 主指導教員による指導のもと履修計画を立て、履修登録をする。
4月~7月 「演習Ⅲa」「演習Ⅲb」の履修
それぞれの専門に応じた講義科目の履修
6月~9月 主指導教員の許可を得た上で、「学位論文題目・研究計画書」を提出。
9月 履修について主指導教員による指導が行われ、履修登録をする。
9月~1月 「演習Ⅳa」「演習Ⅳb」の履修
それぞれの専門に応じた講義科目の履修
1月 学位論文提出
論文審査及び最終試験(口述試験)の実施
3月 学位授与

博士後期課程 哲学歴史学専修・日本文学日本語学専修・仏教学専修

1年次春学期に「研究科共通科目」・「研究指導科目」を履修し、1年次秋学期以降は「研究指導科目」を履修することとなっており、履修・研究の進め方を入学時のオリエンテーション時に説明している。

博士論文完成に至るまで、主たる指導は指導教員が行う。

1年次 4月 入学時オリエンテーションにおいて、履修・研究についての説明。指導教員の通知。
履修について指導教員による指導が行われ、履修登録をする。
4月~7月 それぞれの専門に応じて「研究特別指導」「特殊研究指導」の科目を履修する
9月 履修について指導教員による指導が行われ、履修登録をする。
9月~1月 それぞれの専門に応じて「特殊研究指導」の科目を履修する
2年次 4月 履修について指導教員による指導が行われ、履修登録をする。
4月~7月 それぞれの専門に応じて「特殊研究指導」の科目を履修する
9月 履修について指導教員による指導が行われ、履修登録をする。
9月~1月 それぞれの専門に応じて「特殊研究指導」の科目を履修する
3年次 4月 履修について指導教員による指導が行われ、履修登録をする。
4月~7月 それぞれの専門に応じて「特殊研究指導」の科目を履修する
8月 学位論文の提出
9月 履修について指導教員による指導が行われ、履修登録をする。
9月~1月 それぞれの専門に応じて「特殊研究指導」の科目を履修する
10月~2月 研究科委員会による論文受理決定後、審査委員会によって論文審査及び最終審査が実施される。
3月 学位授与
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