看護と人間

構造機能と生活Ⅰ(恒常性維持のための調節機構と生活)

1年次
人体の構造と機能に関して、生活の観点から看護実践に重要なことに焦点をあてて学ぶ。1.生活行動と健康を促進させる人体の構造と機能の目的、2.恒常性維持のための物質の流通と調節機構、3.動く機能と生活の観点から構造機能を学んでいく。序論として解剖生理学の知識と深い理解が看護実践の土台になることを述べ、ホメオスタシス(恒常性)とフィードバック機構の重要性を学んだ後、血液、免疫、循環器、感覚、神経、内分泌、骨格、筋の構造と機能の8ジャンルを学ぶ。演習・実習における看護過程の展開に必要な病態生理と看護の理解の基礎となる内容である。

構造機能と生活Ⅱ(日常動作を支える解剖生理と生活)

1年次
〈構造機能と生活Ⅰ〉に続き、人体の構造と機能に関して、生活の観点から看護実践に重要なことに焦点をあてて学ぶ。「食べる、息をする、トイレに行く、話す・聞く、眠る、お風呂に入る、子どもを産む、外部環境とからだ」という生活の観点から構造機能を学んでいく。解剖学の知識と深い理解が看護実践の土台となることを前提に、消化器、呼吸器、泌尿器、排泄、言語、睡眠、皮膚と膜、生殖器、外部環境とからだの9ジャンルを学ぶ。演習・実習における看護過程の展開に必要な病態生理と看護の理解の基礎となる内容である。

生命科学

1年次
生命科学の基礎知識をわかりやすく解説し、そのために必要な化学の基礎知識を学ぶ。これにより、健康な生体の機能と病気の成り立ちに関する深い理解につなげる。また、疾患との関連を重視した代謝や遺伝子などのほか、代謝総論、生命維持に必要な栄養素の構造と性質、酵素について、糖質・脂質・タンパク質・核酸の代謝、エネルギー代謝の統合と制御、遺伝情報についてを学ぶ。当該科目は、〈構造機能と生活Ⅰ〉〈構造機能と生活Ⅱ〉との科目連動性を強化させながら、演習・実習における看護過程の展開に必要な病態生理の理解の基礎となる知識を教授する。

病態生理総論

1年次
〈構造機能と生活Ⅰ〉〈構造機能と生活Ⅱ〉〈生命科学〉との科目連動性を強化させながら、演習・実習における看護過程の展開に必要な病態生理の理解の基礎となる内容であり、看護の実践に役立つ「病気の成り立ち(病態生理学)の基礎知識」を学ぶ。患者の体に起きている変化を深く理解できるようにする。疾病の回復を促進する医学的治療を理解するための基礎知識を習得する。構造と機能の異常(病理病態)として、体液の異常、血行障害、炎症と修復、免疫の異常、感染、変性・壊死・萎縮・老化、腫瘍について学ぶ。

栄養と代謝

1年次
日本人の食生活は急激に変化しており、かつての食料不足による単純な栄養欠乏症は激減し、かわりに過食・多様化による生活習慣病(糖尿病、高血圧症、脂質異常症など)が増加の一途をたどっている。患者の生活面も管理する役割を担う看護師にとって、摂食行動に伴う栄養素の消化・吸収、代謝、生体内における機能を理解することは、患者の病態に対応した適切な食事療法、栄養指導のために不可欠である。
 本講義は、〈構造機能と生活Ⅰ〉〈構造機能と生活Ⅱ〉〈病態生理総論〉〈生命科学〉の知識をベースに、看護専門職者としての役割を認識し、看護の実践に活用するために必要な専門的かつ適切な栄養補給法を実践するための基盤となる人体における〈栄養と代謝〉の知識を身につけることを目的とする。

診断治療Ⅰ(主要な疾患の検査と治療)

1年次

病態(病気の成り立ち)、症状、診断、治療および看護を学ぶ。病気の数を精選し、ジャンルごとに解説する。本講義では、呼吸器、循環器、消化器(消化管)の3ジャンルの病態と看護実践のための基本的な学修をする。患者の自覚症状や身体症状と関連した病態生理学的知識に重点を置く。平易な言葉で説明することで、理解しやすい授業を目指す。基本的語句とともにゲストスピーカーによる最新の臨床現場での話題や知見の解説を加え、アトラクティブな授業を目指す。当該科目は、〈病態生理総論〉〈フィジカルアセスメント〉との科目間の連動性を強化しながら、人間の身体的側面をアセスメントするために必要なフィジカルイグザミネーションの知識と技術を学修するための先行科目として配置する。

診断治療Ⅱ(内分泌・血液・運動機能疾患の検査と治療)

2年次

〈診断治療Ⅰ〉に引き続き、病態(病気の成り立ち)、症状、診断、治療、看護を学ぶ。病気の数を精選し、ジャンルごとに解説する。本講義では、内分泌、血液・造血器、運動器の3ジャンルをはじめとして、代謝機能もふまえながら病態と看護実践のための基本的な学修をする。患者の自覚症状や身体症状と関連した病態生理学的知識に重点を置く。平易な言葉で説明することで、理解しやすい授業を目指す。基本的語句とともに、ゲストスピーカーによる医療現場での最新の知見も解説し、アトラクティブな授業を目指す。

診断治療Ⅲ(免疫・精神・小児疾患の検査と治療)

2年次

病態(病気の成り立ち)、症状、診断、治療、看護を学ぶ。病気の数を精選し、ジャンルごとに解説する。本講義では、自己免疫・アレルギー・免疫不全、精神、小児の病気の3ジャンルをはじめとして、消化器(胆嚢・膵臓)、男性生殖器、腎機能もふまえながら病態と看護実践のための基本的な学修をする。患者の自覚症状や身体症状と関連した病態生理学的知識に重点を置く。平易な言葉で説明することで、理解しやすい授業を目指す。基本的語句とともに、ゲストスピーカーによる最新の臨床現場での話題も解説し、アトラクティブな授業を目指す。

診断治療Ⅳ(感覚器・神経・筋肉の疾患・生殖器疾患の検査と治療)

2年次

〈診断治療Ⅱ・Ⅲ〉に引き続き、病態(病気の成り立ち)、症状、診断、治療、看護を学ぶ。病気の数を精選し、ジャンルごとに解説する。本講義では、感覚器、神経・運動器、女性生殖器の3ジャンルを中心とした病態と看護実践のための基本的な学修をする。患者の自覚症状や身体症状と関連した病態生理学的知識に重点を置く。平易な言葉で説明することで、理解しやすい授業を目指す。基本的語句とともに、ゲストスピーカーによる最新の臨床現場での話題も解説し、アトラクティブな授業を目指す。

 

薬理の基礎

1年次
医療の根幹をなす薬物療法の基礎的な知識を習得するために、体内における医薬品の作用と動態を理解する。医薬品を理解するためには、医薬品を理解することはもちろんのこと、生体成分の働きや生体成分と医薬品の関わり方を理解する必要もある。本講義では、医薬品を理解するための医薬品や生体成分の働きを学ぶ。

臨床薬理

2年次
〈薬理の基礎〉との科目連動性を強化しながら、薬物療法の意味を理解し、患者のコンプライアンス、アドヒアランスをアセスメントし、看護専門職として臨床で必要な薬理知識を教授する。医療は単独で行われるものではなく、様々な職種が連携しチーム医療を担っている。医療現場では様々な知識が必要となるが、そのなかで医薬品を含め薬物の働きを理解することは医療の前線に立つ者としては必要不可欠である。本講では、薬物全般の基礎的な知識と代表的な疾患の治療薬について学ぶ。さらに、医療従事者として薬害についての理解が必須となるため薬害についても学ぶ。

心理学

2年次
今日の心理学の研究領域は、きわめて広範囲に及んでいる。そのため、看護実践に活用できる研究領域に焦点を絞って授業を進める。具体的には、「発達心理学」「モチベーション心理学」「臨床心理学・カウンセリング心理学」に焦点を絞って、心理学の重要理論や基本事項について学ぶ。〈看護とコミュニケーション〉の学修を先行科目とし、授業には演習も取り入れ、自己理解・他者理解を深めながら、看護師に必要な人間理解の能力および適切なケアを実践できるためのコミュニケーション・スキルの向上を目指す授業とする。

看護と病態生理

2年次
看護の実践に役立つ「病気の成り立ちの基礎知識」を学び、患者の体に起きている変化を深く理解し、看護ケアにつなげることができるようにする。さらに疾病の回復を促進する医学的治療と看護ケアを理解するための基礎知識を習得する。演習・実習における看護過程の展開に必要な病態生理と看護ケアの理解の基礎となる内容である。当該科目は、〈フィジカルアセスメント〉〈看護過程演習Ⅰ・Ⅱ〉〈基本看護技術Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ〉の学修内容を統合し学びを意味づけるための科目として配置する。
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