療養生活看護学

療養生活看護学概論

2年次
主に成人/高齢期のライフステージにある地域で暮らしていた生活者が、それまでの日常と異なる患者として、治療を受けながら生活を送るための看護アプローチの基本的な考え方について学修する。解剖、生理、病態や治療についての知識をふまえ、様々な健康レベルと健康上の課題に対応する個人の保健行動や心理社会的状態に応じた看護を具体的に展開するための基盤となる対象理解、看護アプローチ法について教授する。

療養生活看護論Ⅰ(急性回復期援助)

2年次
〈療養生活看護学概論〉ならびに既習科目の知識を活用しながら、周手術期および急性状況にある成人/高齢期の患者を対象とした看護について、急性期および回復期看護の概念および療養生活上の特徴を機能障害別に学修する。具体的には、患者とその家族の発達像、生活像の身体的・精神的・社会的な特徴を統合し、身体侵襲の予測と回避、生体機能回復、苦痛緩和、社会生活への適応に向けた看護実践のための基礎的知識を修得する。加えて、急性期看護上の倫理的課題について取り上げ、看護実践上のジレンマと対応について考察する。

療養生活看護論Ⅱ(急性回復期:看護過程・援助技術)

3年次
〈療養生活看護論Ⅰ〉で学修した周手術期および急性状態にある成人/高齢期の人の特徴と手術療法、生体侵襲に関する知識を活用し、周手術期および回復期の看護過程と看護技術を学修する。具体的には、看護過程演習では身体的・心理的・社会的側面のアセスメントを統合し、術後合併症の予測と回避、身体機能の回復、苦痛緩和、社会生活への適応に向けた看護問題と看護計画を立案する。また、周手術期の基本的な看護技術の根拠と方法を講義と技術演習で習得する。

療養生活看護論Ⅲ(慢性期支援)

2年次
〈療養生活看護学概論〉ならびに既習科目の知識を活用しながら、慢性疾患、がん及び終末期の健康問題によりストレス・危機状況にある患者・家族に対して、人間関係を基盤として問題解決の系統的アプローチと看護理論を適用し、成長・発達・適応の可能性を最大限に引き出すように働きかける看護実践能力を養う。
具体的には、患者の罹患率が多い代表的な慢性疾患の事例を取り上げ、対象が辿る病みの軌跡を深考し、対象がもつ健康課題を解決するためのセルフマネジメント支援について学修する。また、セルフマネジメントにおける看護師に求められる役割について説明できることを目指す。

療養生活看護論Ⅳ(慢性期:看護過程・支援技術)

3年次
〈療養生活看護論Ⅲ〉の学修をふまえ、慢性疾患患者がセルフマネジメントを行いながら、疾病とともにある生活を自分らしく生きていくことを支援する具体的な療養支援のプロセスを学ぶことを学習課題とする。疾病像・治療法の理解のもとに、重症化を予防し、身体機能の維持・回復、QOLの向上を目指す患者の病みの軌跡に沿った具体的な看護について、講義と演習で学びを深める。本授業は、事例を用いた演習と看護技術演習を中心に進める。

療養生活看護学実習Ⅰ (急性)

3年次
周手術期の看護実践、救急外来での医療行為の見学を通して、急性の疾病や機能障害をもつ患者とその家族の健康上の課題を包括的に理解し、看護師として専門的援助を行うために必要な実践能力を養う。具体的には、周手術期にある患者を受け持ち、術前・術中・術直後および術後のアセスメント、看護課題の抽出、目標の明確化および看護計画を立案する。その看護計画に基づき、教員ならびに臨地指導者の指導のもとに個別的かつ生きる力を引き出す創造性豊かな看護実践を行う。また、カンファレンスを毎日行い、他の学生の受け持ち患者についての情報を共有とディスカッションを通して共有学修を進める。上記内容に加えて、救急外来での見学実習を通して、救急外来の医療環境、看護師の役割、搬送される患者と家族に対するアセスメントの視点と援助について学ぶ。

療養生活看護学実習Ⅱ(慢性)

3年次
療養生活看護学関連科目の基礎知識と技術を実践に活用し、慢性の健康障害を持つ患者およびその家族の健康問題を解決するために必要な看護を系統的に学修する。具体的には、入院中の慢性期あるいは終末期にある患者を受け持ち、看護過程(アセスメント、看護問題の明確化、計画、実施、評価)を展開する。また、生活の再調整・再構築が必要な患者への退院調整に向けた他職種との連携・協働の実際について、外来や退院支援部署の見学実習を通して学ぶ。さらに、看護実践を通して専門職としての倫理観や資質を養う。
 
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