研修期間 2018年8月24日(金)~9月2日(日)
参加人数 18名
研修地 ザンビア共和国ルサカ市

ザンビア大学、大学病院での学び

ザンビア大学では、はじめにンゴマ看護学部長よりザンビアの医療システムやザンビアにおける地域医療の現状について講義をしていただきました。

ザンビアにある病院の約90%は公的な病院のため、入院にお金がかからないことや、入院区域がコストによってはっきりと区分けされていることが日本とは違い、印象的でした。
その後、ザンビアの中で最も高度な医療施設であるザンビア大学付属教育病院の見学をさせていただきました。そこでは、費用が掛からないこともあり、人があふれ、診察までに時間がかかってしまったり、衛生環境も十分ではない現状を目の当たりにし、発展途上国の医療の課題を学ぶことができました。

しかし、ザンビアでは病室での患者の世話を積極的に家族が行っていて、コミュニティヘルスワーカー(CHW)という規定のトレーニングを受けた医療ボランティアのような人々が広く活躍している様子も知ることができました。こうした学びや現地の人々との交流を通して、ザンビアの人々の温かさを肌で感じ、ザンビアならではの強みについても学ぶことができました。

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NGO(AAR)視察

AARというNGOの事務所と、AARによって設立された地域のヘルスセンターを視察しました。

ヘルスセンターでは、コミュニティヘルスワーカー(CHW)と呼ばれるボランティアの方々が沢山活躍していました。カルテへの患者情報の記入や、乳幼児の身体測定などの業務を担っており、地域のヘルスセンターにおいてはボランティアの方々が大きな役割を担っていることを実感しました。また、ボランティアの方々にボランティアを始めた理由を尋ねると、「看護師不足であることを知っているから、自分も何か役に立ちたいと思って始めた。」「ただ、(地域への)愛があるから。」と、人のために尽くしたいという理由から無償でボランティアをされていることを知り、ザンビアの方々の心の温かさに感動しました。

また、ここでは実際にHIV検査を行う一連の流れを目の前で見学させて頂きました。検査の前のカウンセリングから陽性か陰性を伝えるところまでを実際に見させて頂き、ここでしか学べない貴重な体験をすることができました。ザンビアのHIV感染率は16.5%と高く、6人に1人がHIVに感染しているため、ヘルスセンターには抗HIV薬を求める人々の長蛇の列ができていました。

地域に根ざしたヘルスセンターという施設で、現地の方々の生の声を聞くことができるのはこのザンビア研修の大きな魅力の1つです。

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観光

まずサンセットクルーズについてです。船の上からゾウ・ワニ・カバなどの生き物に出会いました。アフリカの夕日はとても綺麗でいつまでも眺めていたいと思うほどでした。皆で、自然いっぱいの風景に癒されながら、アフリカでの研修を振り返りました。

ビクトリアフォールズは、ナイアガラの滝、イグアスの滝と並んで「世界三大瀑布」に数えられる滝です。私たちは滝沿いまで徒歩で向かいました。滝から巻きあがる水煙を全身に浴びながら大迫力の滝を見ることができました。滝には虹がかかっており、滝と虹の幻想的な光景に感動し、たくさんの写真を撮って満喫しました。
観光を通して、アフリカにこんなに素敵な風景が広がっているということを自分の目で見ることが出来ました。自然溢れるアフリカの地で、心が癒されました。

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研修参加者の声

諸井直美

今回ザンビア研修に参加し、現地に行かないと分からない現状を目の当たりにするとともに、現地の方々の温かさや優しさを強く感じることができました。私は、母子保健について興味を持ち、深刻な課題である妊婦や乳児の死亡率について現地の方の声を聴きました。そこでは、医療者不足や男性社会の文化もあり、根本的な課題が根付いていて、簡単に変えることはできない現状を知りました。

特に印象に残ったのはAARで活動するボランティアの方々の存在です。地域のため、無償でも他人のために誠実に尽くす姿に感銘を受けました。地域の身近なボランティアからの説明は地域の方々にも伝わりやすく、重要な役割を担っていることが分かりました。
また、看護師よりも家族が患者の世話をしていることに驚きましたが、それだけザンビアの家族の絆は強く、それが家族の幸せなのではないかと感じました。相手が本当に大切にしていることを理解して関わること、相手と同じ目線に立って話すこと、大切なことを沢山学ばせていただきました。1人の人間として本当に尊敬できる方々と縁することができ、幸せと感謝でいっぱいの研修でした。

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