2021年06月03日

英国看護師バーチンガー博士との懇談会がオンラインにて開催されました!

6月2日(水)、イギリスの看護師であるデイム・クレア・バーチンガー博士による、看護学部生等との懇談会がオンラインにて開催されました。バーチンガー博士は現在、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM)熱帯医学看護専門職ディプロマ履修コースのディレクターを務められています。 

開会にあたり、本田学部長より御礼の挨拶がありました。
 
続いてバーチンガー博士より、約40分にわたり基調講演を行っていただきました。
博士は、ディスレクシア(読み書きが困難な障がい)と闘いながら、看護師として負傷者援助、救命救急の専門で経験を積まれました。その後、ICRC(赤十字国際委員会)に所属し、紛争地域での援助活動に奮闘されました。
ご自身の経験を通して、戦争と平和、人間の在り方について言及。その中で訴えられていたお言葉を一部紹介します。
◆重要なのは、現場で何が起こっているのかを知り、そこにいる人々を大切にすること。
◆私たち自身が変化を起こす主体となり、考え方の最優先として「人間主義」を基調としなければならない。
◆人間はお互いを怒りや貪欲、嫉妬の対象とする一方で、何かのきっかけで、瞬時に慈悲や温かい心、寛大さを持つ姿へと変化する可能性を秘めている。
◆一つ一つの行動や贈り物の背景には、相手の思いが込められている。
◆世界を変え、戦争と人間の苦しみを止める力は、あなたや私のような、普通の人の中にあると信じています。
◆もし私たちが本気で世界を変えたいと思うなら、私たちは自分たちの生活の中に変化を起こすことに目を向けなければならない。まずは、出会う相手を幸せにする、と捉えてみること。
◆人間主義を基調とし、それぞれの差異を超えていくべきである。

 
続いて、学生より英語で質問が寄せられました。なぜ、大変で危険な思いをしてまで紛争地域で看護を実践されたのか、人々は平和を願っているのになぜ戦争が起こるのか、など、多岐にわたる質問に対し、バーチンガー博士は一つ一つ丁寧に、時にはユーモアを交えて答えていただきました。経験の中から学び得ることや、自身の可能性を信じること、他者と協力して課題を乗り越えていくことの重要性についても言及されました。
 
最後に、学生代表が本日の懇談会の開催に対し英語で御礼の挨拶をしました。2年前のバーチンガー博士との出会いの際に感銘を受けたことやこれからの決意について述べました。

参加した学生からは、
「今の状況に負けてはいけないと感じました。看護師としてできることと、私にしかできないことを求め続け、使命を全うしていく決意です。」「目の前の困難に一つ一つ挑戦していきながら、博士のように周囲に励ましを送り、いるだけで明るく元気にすることができる人へと成長してまいります。」等の感想が寄せられました。
ページ公開日:2021年06月03日
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