看護学部卒業生が兵庫県立病院の研修論文で優秀賞を受賞されました!

秋口 茉穂さん 看護学部2021年3月卒業/兵庫県立病院加古川医療センター勤務

優秀賞の受賞、おめでとうございます!受賞の経緯を教えてください。

ありがとうございます。この論文は、兵庫県立病院(全10病院)の新人看護師が入職して約半年で取り組むものです。
論文は『県職員としてどのような看護を提供していくか』というテーマで、県立病院の基本理念や、働きだしてからの経験を踏まえて、県立病院の看護師としての在り方について考察しました。その結果、全体で数名しか選ばれない優秀賞をいただくことができました。

   
兵庫県立病院加古川医療センターの様子

創大看護学部だからこそ培えた、生命尊厳の看護

働く上で大切にしていることはありますか?

『目の前の一人を大切にすること』です。
この看護観の原点となったのは、大学2年生の時に行った基礎看護学実習Ⅱです。実習する中で、“少しでも幸せに、安楽になってほしい”との心で最後まで患者さんに関わり続けられることは、薬でも機械でもなく、人ができることだと実感しました。その後、自分の看護実践を通して患者さんに良い反応がみられ、思いを込めてケアすることの素晴らしさを患者さんから学ばせていただきました。
 また、実習だけでなく、学生が安心して学び抜ける環境を整え、日々学生に励ましを送ってくださる創立者の真心に触れたことも、目の前の一人を大切にしたい、と思ったきっかけです。

基礎看護学実習のグループメンバーと担当教員

創大でよかったことは?

統合実習のグループメンバーと担当教員

たくさんありますが、2つ挙げたいと思います。

 ひとつは、素晴らしい先生やかけがえのない友人と出会えたことです。入職1年目なので日々の業務に追われたり、難しさやもどかしさを感じることもありますが、実習担当だった先生がかけてくださった「患者さんの幸せを思うことが一番大事よ」という言葉を今でも大事にしています。患者さんの幸せを思って関わると、患者さんがどんなことを考えているのか思いをはせることができ、どれだけ小さなケアであっても一つ一つ丁寧に対応できます。その積み重ねが誠実さになり、誠実が信頼となり、患者さんも思いのたけをありのまま語ってくれるようになる。そうすることでより良い看護を提供することができると思います。
 創大看護の友人とは、大変な時ほど連絡を取り合っています。友人も悩みながら、それでも患者さんと向き合ってたり、私を励ましてくれて。励ましそのものにも鼓舞される上に『自分のことを想ってくれる存在』自体が大切であると体感し、自分も患者さんにとってそういう存在になりたい!と思わせてくれます。一生涯の友情を築けたことも本当に良かったです。
 創大で出会った先生や友人のおかげで、この仕事を業務としてこなすのではなくて、『生命の尊厳』を根本とし、患者さんを一人の人として尊敬して向き合うことができています。

 もう一つは、社会に出てから通用する人間力を身につけることができたことです。看護師は生命と向き合う仕事で、一人の人をどれだけ思ってケアできるか、関われるか、その人の家族のこともどれだけ向き合えるかが大事になります。知識や技術を磨いていくことはもちろんのこと、根底には患者さんを大事にする『人間力』が必要です。授業・実習を通して、『生きる力を引き出す看護』や『生命の尊厳』を学び探究したことで、人間力の感性を培うことができました。創大で学んだ『生命尊厳』は、社会に出てた今、相手の尊厳を大事にする、という考え方に活きています。

大学時代の学びや経験

授業の経験が今に活きていることはありますか?

基礎看護学の授業から、根拠と個別性について考え深める訓練をしていました。その人の苦痛をどれだけ最小限にできるか。安楽なケアを考え、学生同士で実践し、フィードバックし合って、最善のケアを探究して実習で実践していました。学生時代のこのような体験は、社会に出て看護を展開する今も、ベースになっていると感じます。今でも授業のプリントを振り返ったりもしています。

学生時代の学びを振り返る

国際看護研修にも参加されたようですね

ザンビア研修の様子

はい。2年生の時にザンビア研修(アフリカ)に参加しました。日本以外の実態を目の当たりにした時に、世界の視点(健康問題)を知り、尊重することが大事だと思いました。実際に外国籍の患者さんが入院された時、ザンビア研修での学びを思い出し、その人の背景を知り、違いを理解することで、個別性を大事にした看護が実践できると改めて思いました。

これからの看護について

 今回の受賞を機に、創大看護での学びの重要性を実感しました。自分が実践するのはもちろんのこと、患者さんには自分一人ではなく、チームで関わるため、医療チームが一人一人が、患者さんを一番として考えることが求められます。創大卒業生であることに誇りを持ち、創大看護での学びをチームに発信できる存在になりたいです。

 また、医療の現場は日々変化しているので、患者さんの命を守るために、常に知識や技術も学び抜き、身につける必要があります。その上で、患者さんへの関わりとして、病気を治すことだけではなく、病を抱えながらも希望を持って生きていくための生命力を引き出すことが大事だと思います。看護師側が、患者さんの希望を見捨てないこと。最後まで患者さんの可能性を信じて関わり続けることが、看護師に求められる在り方だと感じます。目の前の一人を大切にし、創大看護学部3つの指針を体現していきたいです。
 

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