ザンビア大学看護科学学部長が来学! 国境を越えた看護教育の交流を深める
2025年6月16日(月)から、本学看護学部の客員教員として、ザンビア共和国のザンビア大学より、ロニア・ムワペ看護科学学部長を招へいしました。
本学は2018年にザンビア大学と学術交流協定を締結しており、今回のムワペ学部長の招へいは、両校の交流をさらに深める貴重な機会となりました。
<理事長・学長を表敬訪問>
6月17日(火)、ムワペ学部長が田代理事長、鈴木学長を表敬訪問しました。懇談では、ザンビア大学看護科学学部の教育課程や学生の様子が紹介され、両国の看護教育について意見交換が行われました。また、来春に予定されているザンビア研修の実施計画が報告され、今後の交流に対する大きな期待が語られました。さらに、本学創立者の池田先生と、ザンビア初代大統領ケネス・カウンダ氏の教育と平和に対する共通の理念が話題に上り、両国の深い繋がりが再確認されました。本学創立者は、2011年9月にザンビア大学より名誉法学博士号を授与されています。
<記念講演会>
6月18日(水)、「Nursing Education and the Health System in Zambia」と題し、ムワペ学部長による記念講演会が開催されました。講演では、ザンビアにおける看護教育と実践の現状、そして今後の課題について多岐にわたる内容が語られました。
ムワペ学部長は、ザンビアにおいて看護ケアが医療制度に不可欠な要素であり、特に地方や農村部では看護師が主要な医療提供者として極めて重要な役割を担っていることを強調しました。地域での健康推進活動として、母子保健、感染管理、心の健康についての理解を深める活動、健康教育などにも積極的に取り組んでいることが紹介されました。一方で、ザンビアの看護ケアにおける課題として、人材不足、医療用品・機器・施設の不足、都市部と農村部における医療インフラ格差などがあると述べられました。しかし、講演の終わりにムワペ学部長は、ザンビアの看護教育と医療制度が着実に改善されており、政府も国民の健康と福祉の向上に継続的に取り組んでいることを強調し、「課題はどのような制度にもつきものですが、それらは改善のための学びをもたらす」と締めくくりました。
本講演会は、参加者にとって、ザンビアの看護教育と医療の現状について深く学ぶ貴重な機会となりました。講演を聴いた学生からは、記念講演会を通じて看護を学ぶことにより、世界と繋がれることに感銘を受け、今後さらに勉学に励んでいきたいとの感想が寄せられました。
<創価学園視察>
6月23日(月)、ムワペ学部長は、創価学園を視察されました。創立者の教育事業について学ばれ、創価教育をザンビアで実践したいとの期待を語られました。また、「未来の看護師に向けた、看護の意味の探究とリフレクション」と題し、生徒たちへの講演も行われました。講演では、南部アフリカ発祥の「Ubuntu(ウブントゥ)哲学」が紹介されました。この哲学は、「人は他者を通して人となる」という考え方に基づき、共同体、思いやり、尊敬といった態度を強調するものです。ムワペ学部長は、この哲学が看護職の核心に深く関連していると述べました。最後に、看護職は多大な努力と献身を必要とするが、患者さんに満足のいくケアを提供し、回復して退院していく姿を見送ることは、看護師にとって大きな喜びをもたらすと述べ、看護職への道を志す生徒たちに、温かい励ましの言葉を送りました。
<民主音楽協会視察>
6月24日(火)、ムワペ学部長は、民主音楽協会を視察されました。古典ピアノ室、自動演奏楽器室、企画展「『平和構築の音楽』展II」を見学し、数々のコレクションが奏でる音色を堪能されました。ムワペ学部長は、音楽が平和に寄与する力を学ばれ、本学および民主音楽協会創立者による音楽文化事業と平和運動に対し、深い感銘を寄せられました。
<歓迎会>
6月25日(水)、本学学生によるムワペ学部長の歓迎会が開催されました。学生たちは創価大学や本学のクラブ団体の魅力を紹介し、日本舞踊部や滝山太鼓部が美しい演舞を披露しました。その迫力あるパフォーマンスにムワペ学部長も引き込まれ、日本の文化を伝える素晴らしい時間となりました。ムワペ学部長と共に折り紙で鶴を折るなど、コミュニケーションを取りながら交流を深めました。最後には、学生から感謝の言葉と動画が贈られ、笑顔あふれる素敵な会となりました。
歓迎会を企画・運営した学生からは、「日本にお越しいただいた感謝と、『日本をより知ってもらいたい!、良い思い出をつくっていただきたい。』という思いで取り組みました。今回の歓迎会で、日本との懸け橋になれたなら光栄です。」「滝山太鼓部、日本舞踊部の演目が大変感動的で迫力があり、日本の文化を伝えることができたと感じました。何よりムワペ先生が演舞や折り紙作りを心から喜んでくださる様子を見て、私たちも本当に嬉しくなりました。」といった喜びの声が聞かれました。

