学生から学生に発信するサステナブルアクション 『CanSta』を創刊・発行
渡邊志乃(わたなべしの) 経営学部経営学科 4年
小矢野世那(こやのせな) 法学部法律学科 3年
創価大学では、大学と学生が一体となって持続可能な社会の実現をめざす取り組みを進めています。2026年4月、SDGs推進センターの学生委員が中心となり、身近なサステナブルアクションを提案する冊子『CanSta(キャンスタ)』を創刊・発行しました。メッセージ性と読みたくなるデザインを両立させたこれまでにない冊子は入学式で配布され、新入生にも大好評です。『CanSta』編集長の渡邊志乃さん(経営学部4年)、副編集長の小矢野世那さん(法学部3年)に、制作の経緯やこだわりなどについてお話を聞きました。
『CanSta』を発行することになった経緯を教えてください。
小矢野さん 創価大学には、学生自治会や学友会、寮の代表などで構成される「SDGs学生委員」が組織されており、大学が掲げるサステナブルキャンパスの実現に向け、学生向けの冊子を制作することになりました。
渡邊さん 私と小矢野君は、国連アカデミック・インパクトの学生組織「ASPIRE Japan」の創大支部(ASPIRE SOKA)の代表として、「SDGs学生委員」に加わっていました。メンバーで議論を重ねるなか、より良い冊子にするために私たちが草案を出したことがきっかけとなり、中心となって進めることになりました。
『CanSta』はどんな冊子ですか?
渡邊さん 「できる(Can)から、始まる(Start)」をテーマに、創大生活の中で身近にできるサステナブルなアクションを見つけ、学生のみなさんに実践してもらうことを目的とした冊子です。古着を取り入れた洋服のコーデ、日常使いできるエコアイテム、学生インタビュー、SDGsに関するスポットを示したキャンパスマップなど、学内で役立つ情報とサステナブルを組み合わせて紹介しています。私たち自身で企画、構成、取材を行い、写真撮影や誌面デザインはプロの方の力をお借りして完成させました。
小矢野さん 制作過程では、これまでの創大の広報誌にはないような雑誌風のデザインを取り入れつつ、学生生活に役立つ情報や、学内外のさまざまな場所で奮闘する学生に光を当てることを目標にしました。
渡邊さん 発行の目的は「実践してもらうこと」ですから、学生が読む気にならない文字ばかりのデザインは避け、親近感を持ってもらえる雑誌のようなスタイルにこだわりました。とはいえ、写真やイラストにばかり目が行って肝心の内容が伝わらない、ということのないよう、デザイン性とメッセージ性のバランスの取れた誌面を目指しました。
制作過程で楽しかったこと、苦労したことはありますか?
渡邊さん 自分のアイデアや思いが採用され、実際に誌面の形にできたのはうれしかったですね。「古着コーデ」の企画は私が当初から提案していたアイデアで、モデル起用、コーディネートのコンセプト、誌面デザインなどを一から手掛けました。モデルを務めてくれたSoka Apparel Crew(服飾系の部活)のメンバーとも相談しながら、協力して作り上げられたことが何よりも楽しかったです。
小矢野さん 私も、たくさんの学生と共同で制作したことが最も楽しかったです。取材に協力してくれたみなさんを始め、制作に携わった一人一人の協力してくださる姿が、編集や校正作業のモチベーションになりました。苦労したことはたくさんありますが、中でも学生へのインタビュー記事の執筆と編集は難しかったですね。環境やサステナブルに関する国際会議などに参加した学生を取材したのですが、想像以上にこれまでの挑戦や将来の目標を語ってくれました。たくさんある伝えたい情報を、限られた文字数の中で読みやすくまとめていく作業は、本当に大変でした。
渡邊さん 冊子制作は初めての経験でしたが、私たち2人とも、割と雑誌が好きなんです。今までに見たことのある雑誌を参考に、見よう見まねでレイアウトや構成を考える中で、「雑誌ってこんな工夫があったんだな」と気付くこともあり、あらためて雑誌っていいなと思いました。
小矢野さん たしかに作る側に立たせてもらったのは良い経験になりましたね。個人的には、オリジナルキャラクター「探偵くるる」を作るのも楽しかったです。自分でイメージやポーズを考え、生成AIにプロンプトを打ち込んで作ったんです。SDGs副専攻を紹介するページに登場しているので、ぜひチェックしてください。
『CanSta』は電子ブックで公開したほか、今年の入学式で新入生に配布され、学長スピーチでも紹介されたそうですね。反響はいかがでしたか?
渡邊さん 入学式の日に新入生がバッグから冊子を取り出しているのを見たときは、うれしさで胸が一杯になりました。同郷の後輩には「おしゃれすぎて本当に驚きました」と言ってもらい、私たちが目指していた親近感のわくデザイン性と手に取りたくなる工夫が伝ったことに感動しました。
小矢野さん 私の後輩もかなり驚いていました。大学が配る冊子のテイストとしてはかなり新鮮だったようで、プレゼントみたいに思ってもらえたのかなと。狙い通りの反応でしたね。この冊子を起点に、意識改革やアクションへのつながりも期待できると手応えを感じています。
これまでの学びや活動が『CanSta』の制作に生かされていると感じることはありますか?
渡邊さん 座学やプロジェクトベースでSDGsや社会課題に関して学び、実践してきた経験から、SDGsに関する知識が身に付き、伝えたいことの本質を見失わずに制作を進めることができたと思います。
小矢野さん これまでに社会課題の解決に向けた提案をレポートやプレゼンテーションにまとめてきた経験が、伝えるべき情報の取捨選択に役立ちました。
渡邊さん 私と小矢野君がタッグを組んで活動するのは初めてでしたが、2人とも数人のグループで仮説を立て、現地インタビューなどを行い、検証・発表するプロジェクトを経験していたのは、とてもプラスになりました。その経験のおかげで、時間的制約がある中でも内容の濃い議論ができ、スケジュール管理も徹底できました。
小矢野さん そうですね。限られた時間で物事を進める計画性はかなり役立ちました。
渡邊さん ハードなスケジュールの中で、“はじめまして”の人といかに高いパフォーマンスが出せるかという、ある意味“プレ社会人体験”ができたのは、『CanSta』を通じて得られた収穫だったと思っています。
今後の目標や取り組んでみたいことを教えてください。
渡邊さん 『CanSta』制作と並行して進めていた就職活動も無事終わり、大手金融機関への就職が決まりました。卒業までに金融関係の資格をできるだけ取得し、書籍や新聞を通して業務の基礎知識を蓄えていきたいと思っています。入社後は、自らの手で道を切り拓く強い信念を持ち、社会の第一線で活躍する人材になりたいです。
小矢野さん 今年の年末から来年夏にかけて、法学部の交換留学生として英・ウォーリック大学に留学する予定です。現地では、学部で学んでいる国際政治や地球規模の課題をさらに探究するとともに、地域のコミュニティに参加して市民との対話に取り組みたいと考えています。
『CanSta』第2号の発刊予定はありますか?
渡邊さん 今のところないのですが、もう少し制作スタッフが増えたら、やりたいですね。その時は小矢野君に編集長として頑張ってもらって……(笑)
小矢野さん 今回『CanSta』を手に取った人の中で、「私もこういうものを作りたい!」という声があれば、できるかもしれないですね。
創価大学をめざす後輩たちにメッセージをお願いします。
渡邊さん 創大は、組織の力がとても強い大学だと思っています。どんな活動をする時でも、協力してくれる人、発信してくれる人、発信に気付いて意識を変えてくれる人が必ずいます。そして、一人一人のさまざまな興味関心を受け入れ、可能性を広げてくれる組織や団体もたくさんあります。自分の可能性を創大で大きく広げていきましょう!
小矢野さん 私は法学部ですが、法学部の学びの中でもサステナブルや環境に関する価値観を変えるような学びが得られるのが創大の魅力です。大学は社会に出る一歩手前の段階。だからこそ“面白い”学びに没頭してください。実際、私もこの大学で面白い学びに出合うことができました。創大でたくさんの本を読んだり、友人と語り合ったり、最高の学生生活を送ってほしいです。
<経営学部経営学科 4年>
渡邊志乃
Shino Watanabe
- [好きな言葉]
- 3倍努力
- [性格]
- 堅実
- [趣味]
- 日記を書くこと
- [最近読んだ本]
- 経済的思考のセンス/大竹文雄
<法学部法律学科3年>
小矢野世那
Sena Koyano
- 【好きな言葉】
- No Rain, No Rainbow. (雨が降るから虹が出る)
- 【性格】
- 活発
- 【趣味】
- ラジオを聴くこと
- 【最近読んだ本】
- 多元世界に向けたデザイン/アルトゥーロ・エスコバル