丹木の歳時記2025 卯月(一)

京都の桜の満開日を1200年に渡って調査した研究者がいます。先月の読売新聞の記事によれば、大阪公立大学の青野靖之准教授(農業気象学)は、9世紀以降の桜の満開日を公家の日記や和歌の記述から調査。これまでにもっとも遅かったのは1323年の5月4日。早かったのは2023年の3月25日で、だんだん早くなる傾向にあるとのことです。1323(元亨3)年と言えば鎌倉時代末期。後醍醐天皇が鎌倉幕府の討滅を企て失敗に終わった「正中の変」の前年です。後醍醐天皇が桜を読んだ和歌に「ここにても雲井の桜 咲きにけり ただかりそめの 宿と思ふに」とあります。当時愛でられていたのは主に山桜で、現在の染井吉野が日本各地に広がったのは明治初期以降です。ところで桜の花芽ができるのは前年の夏頃だそうで、その後いったんは休眠状態に入ります。花芽の開花には冬の間、一定期間低温にさらされることが必要で、これを「休眠打破」と言います。長く厳しい受験勉強を乗り越えてきた新入生の皆さんは「休眠打破」を経て、まさに花開こうとする桜のようです。これからの4年間、あるいは2年間の学生生活が充実したものになることを願っています。

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