丹木の歳時記2025 長月(一)

 8月の終わりが近づく頃、臭木(クサギ)の花が咲き始めます。茎や葉に悪臭があることからついた名前ですが、花からは芳しい香りが漂います。国際滝山寮の裏手、都道に面した斜面にある臭木の蜜を求めて、美しい蝶が訪れます。日本産の蝶の中では「最美の一種」とされるミヤマカラスアゲハです。幼虫の食草はキハダやカラスザンショウなどのミカン科の植物ですが、キャンパス内ではこれらの植物は見られないため、近隣の雑木林で羽化した個体が飛んでくるのかもしれません。

 美しさという点ではムラサキシジミも引けを取りません。羽を閉じているときは地味で目立ちませんが、今回は広げてくれました。 この時期に見られる「ミヤマ」という名のつくトンボもいます。すなわち「日本で一番美しいアカトンボ」とも言われるミヤマアカネです。東京都のレッドリストによると、区部では絶滅危惧IB類(EN)、多摩部でも準絶滅危惧(NT)に指定されています。

 キャンパス内でこれまで確認できた蝶は55種、トンボは26種。蝶の幼虫はそれぞれ食草とする植物があるため、多種の蝶が生息するということは、それだけ多様な植物があり、自然の豊かさを示す指標にもなります。これからも、そしていつまでも、美しい蝶やトンボに出会える環境を守っていきたいものです。

ミヤマアカネ
ムラサキシジミ
ノシメトンボ
ミヤマカラスアゲハ
ミスジチョウ
オオシオカラトンボ
ダイミョウセセリ
ツチイナゴ
蓮華升麻(レンゲショウマ)
高砂百合(タカサゴユリ)
木槿(ムクゲ)
藪茗荷(ヤブミョウガ)

「丹木の歳時記」への感想はこちらまで

E-mail:publicrelation@soka.ac.jp
Facebookの「いいね!」やツイートも執筆の励みになります。

Instagramでも丹木の里の四季折々を紹介しています。創価大学公式アカウントはこちらから

Share

Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend
Recommend