丹木の歳時記2025 神無月(二)

創大祭が終わり、普段の静けさを取り戻したキャンパスには、秋風に乗って金木犀の豊かな香りが漂っています。足元にはクヌギ、コナラ、スダジイ、マテバシイ、カヤなどのドングリが転がっています。スダジイ、マテバシイ、カヤの実は食べることができます。
「文学の池」には、早くもマガモが飛来しました。サハリンやアムール川流域、遠くはバイカル湖周辺から、数千キロの距離を数週間かけて渡ってくるマガモ。地図やナビもないのに毎年同じ場所に正確に飛来できるのは、地形や地磁気、太陽、星の位置などを利用しているためと考えられます。この秋も無事に丹木の里にたどり着き、ほっと一息ついているところなのかもしれません。これから少しずつ仲間も増えていくことでしょう。
マガモのオスの顔は美しい緑色ですが、この時期の羽は非繁殖期から繁殖期へと移り変わる途中で、非繁殖期のオスの羽色を「エクリプス(eclipse)」といいます。
ところで、この季節に気をつけたいのはジョロウグモの巣。ジョロウグモはハエや蚊などを捕食する益虫で、人間に害を及ぼすほどの毒はありません。ただし本欄の写真撮影のために雑木林に分け入ると、巣の糸が絡みつき、気がつくとクモの巣を全身にまとうスパイダーマンになることも。
もっとも普通にキャンパスの道を歩くだけならクモの巣にまみれる心配はなく、クモの巣だらけになって歩いている人物も人に害を与えることはありません(笑)。












「丹木の歳時記」への感想はこちらまで
E-mail:publicrelation@soka.ac.jp
Facebookの「いいね!」やツイートも執筆の励みになります。
Instagramでも丹木の里の四季折々を紹介しています。創価大学公式アカウントはこちらから