丹木の歳時記2025 師走(一)
毎年秋の終り頃に、知人から柿が届きます。ご自宅になる甘柿を送ってくれるのです。市販の柿に負けず劣らずの甘い実は、毎年恒例の秋の楽しみになっています。
通常、柿の木には表年と裏年があり、豊作の翌年は不作になります。ところがこの柿の木は裏も表もないらしく、毎年沢山の実をつけるそうです。惜しむらくは既にかなりの老木で、遠からず寿命を迎えてもおかしくないとのことでした。
そこで、このままではいけないと立ち上がったのが筆者です。この木の貴重な遺伝子を絶やしてはならない。さもなければ、いつの日か甘柿が味わえなくなってしまう。送られてきた柿の実から種を取り出し、自宅の植木鉢に埋めてみたのは9年前。翌年の春、芽を出した苗を数本、キャンパスの一角にそっと植えてみました。
「桃栗三年 柿八年」といいます。発芽した春から数えて8年目の今年、ついに初めての実を収穫できたのです!その味はと言えば、親の木とそん色のない格別の甘さでした。
――さて、これはまだ架空の話。いつかそんな日が来ればいいなという甘い夢を見ながら、実際はこれから植木鉢に頂いた柿の種を植えるところです(笑)。まずは発芽するのか、実をつけるまで育つのか、果たしてその実は甘いのか、9年後の本欄をどうぞお楽しみに。
「丹木の歳時記」への感想はこちらまで
E-mail:publicrelation@soka.ac.jp
Facebookの「いいね!」やツイートも執筆の励みになります。
Instagramでも丹木の里の四季折々を紹介しています。創価大学公式アカウントはこちらから