丹木の歳時記2026 弥生(二)
趣味の世界は人それぞれ。例えばいわゆる「推し活」もそうでしょう。「推し」の対象は千差万別。第三者から見ればなぜそれほど「推し」に魅力を感じるのか理解できなくても、当事者にとっては何処までも追いかけたくなるほど魅力的なはずです。
と前置きしたうえで、筆者の趣味は何かと問われれば「笹刈り」。キャンパスの雑木林に生い茂った笹を刈り取る作業です。一体その何が楽しいのか、なぜ何かにとりつかれたかのように笹を刈っているのか。まったくもって理解に苦しむことでしょう。
誰に頼まれたわけでもなく、何らかの対価が得られるわけでもない。もちろん筆者は造園業者でもないただの素人。されど無心で笹を刈る作業がなぜかこの上なく楽しいのです。
「笹」だけに、ささやかな対価があるとすれば、雑木林の中で過ごす時間。朝の爽やかな空気。春の日差しと鶯のさえずり。季節の移ろい。藪の中から見つかるキンラン、サイハイラン、エビネなどの貴重な山野草。笹がなくなり視界が少しずつ開けていく達成感。これ以上の至福の時間はありません。
人から見ればいかに酔狂な作業でも、本人には掛け替えのないひととき。翌日の筋肉痛は覚悟の上で、せっせと週末の笹刈りに励んでいるのです。
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