丹木の歳時記2026 卯月(五)
先日、本欄がきっかけとなり、数人の専門家を本学に案内しました。施設などの見学ではなく、普段は人が立ち入らない雑木林や笹薮に分け入る植物調査です。山歩きの服装と登山靴で来ていただき、キャンパスの一画を歩くだけでも半日がかりとなりました。
今回案内したエリアには、キンラン、エビネ、イカリソウをはじめ、タマノカンアオイ、キツネノカミソリ、コウホネなどが生育しています。フクジュソウ、ニリンソウ、リンドウなどもあり、これらの植物は東京都のレッドリストに記載されている絶滅危惧種です。
なかには都内では60年代後半から自生地が確認されていない種もあり、これが園芸種か野生種かを確認するためのサンプル採取が行われました。遺伝子解析の結果が待たれます。
かつての里山にはこうした植物が生育していましたが、開発や盗掘などで自生地が減少し、今では希少種になっています。トンボや蝶なども数を減らしています。本学は貴重な生物が生息するサンクチュアリのような役割を果たしているとも言えるでしょう。
来学した専門家の一人は、植栽され、手入れされている桜や梅などの樹木と、かつて里山に生育していた山野草がバランスよく調和して存在していることに感嘆されていました。
こうした里山の自然は適度に人の手が入ることで多様性が保たれます。後世に残す財産として、本学の環境保全に一段と力を入れて取り組むつもりです。
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