丹木の歳時記2026 葉月(四)

 今から130年前の1896(明治29)年4月13日、一人の青年が熊本の池田停車場(現在のJR上熊本駅)に降り立ちました。英語教師として第五高等学校(現・熊本大学)に赴任した29歳の夏目漱石です。赴任から約2か月後には鏡子と結婚し、約3年後には長女・筆子が誕生するなど、熊本時代に漱石は人生の大きな節目を刻みます。
 英国留学のため離任するまでの約4年3か月を過ごした熊本は、漱石にとって忘れがたい土地となったのでしょう。この地での経験や見聞は『草枕』をはじめ、後の数々の作品にも色濃く反映しています。
 当時の第五高等学校の教え子の中には、「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉で広く知られる物理学者・随筆家の寺田寅彦(1878-1935)がいました。漱石を敬愛し、後に東京の漱石邸で開かれた弟子たちの集い「木曜会」にも参加した寅彦は、『吾輩は猫である』の水島寒月や『三四郎』の野々宮宗八のモデルとされています。
 本学にも熊本出身の学生や卒業生が数多くいます。漱石をはじめ多くの文人に愛された熊本の地に思いを寄せつつ、今なお困難な状況と向き合われている被災地域の皆様に改めて心よりお見舞いを申し上げます。そして一日も早い復興をお祈り申し上げます。

ヤブラン&セミの抜け殻
コバギボウシ
ツリガネニンジン
コウヤボウキ
ヤマホトトギス
タカサゴユリ
サンショウの実
タマゴタケ
シオカラトンボ
ミヤマアカネ
オオシオカラトンボ
ヒメウラナミジャノメ

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