丹木の歳時記2026 神無月(二)

 実りの秋。新米が美味しい季節になりました。作家の遠藤周作(1923-1996)は、海外に住む日本人の友人への手紙に、よくこのような言葉を付け加えたそうです。
 「そちらではおいしい食べものを満喫されているでしょう。羨ましい限りです。私は齢のせいか、脂っこいものやパンやバターが次第に嫌になり、あったかい、おいしいごはんに、昆布をのせ、あつい焙茶をかけてそれを田舎からもらったお漬物で食べています。
 お漬物をカリカリ音をたてて噛み、お茶漬けをサラサラかきこむ。そんなごはんをステーキやバターの食生活をしている大兄など今更ほしくないでしょうね」(『ごはんの話』)。
 もちろんこれは遠藤氏のいたずら。手紙を送られた海外の友人からは、「参りました」「憶えておれ」「イジワルを書くなあ」という返事が寄せられたそうです。
 このエッセイを思い出したのは、最近知人から新米の玄米を頂いたからです。近所の精米機で精米した新米のみずみずしさと香り、噛むほどにあふれ出る甘さは格別。もはやご飯自体がメインディッシュで、日本に生まれて良かったとしみじみ思う今日この頃です。
 ところでこの文章、海外に住む日本の方への当て付けやイジワルで書いているわけはないことを改めて確認しておきます(笑)。
 

キバナコスモス
ハチオウジアザミ
サザンカ
リンドウ
キチジョウソウ
シュウメイギク
ノコンギク
サンシュユ
イネ(近隣にて)
オトコヨウゾメ
カリン
ハウチワカエデ

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