2024年04月18日

A棟ブロンズ像の創大設置前の由来が判明しました

文系A棟前には、開学の際に創立者池田先生より寄贈された一対のブロンズ像があります。この「天使と印刷工の像」「天使と鍛冶職人の像」の2体のブロンズ像は、19世紀後半に活躍したフランスの彫刻家アレクサンドル・ファルギエールの作品であり、像の台座には、創立者が創大生に贈った指針「英知を磨くは何のため 君よ それを忘るるな」「労苦と使命の中にのみ 人生の価値(たから)は生まれる」が刻まれています。

この度、制作者の令孫ローラン・ファルギエール氏よりご連絡を頂き、御祖父様の制作したブロンズ像が創価大学にあることをお知りになり、大学の象徴として、きれいな状態で設置されていることに大変感謝され、このほど、氏が収集した貴重な当時の設置風景の写真を創価大学にお送りいただきました。

氏によると、この2つの像は、1892(明治25)年にパリの大きな百貨店(デュファイエル百貨店)の店舗拡張の装飾のためにデザインされ、1899(明治32)年頃に石膏スケッチが出来上がり、「天使と鍛冶職人」の石膏スケッチは現在オルセー美術館が所蔵されているとのことです。なお、少なくとも30年間は設置されており、1930年に百貨店が倒産した後に撤去されたのではないかとのことです。その後30年ほどの詳細は不明ですが、1978年に書かれた論文の中で、2つの像が1969年にフランスから日本へ渡ったことに触れられている記述があるそうです。当時は「Credit(信頼)」「Publicity(知れ渡ること)」という名で呼ばれていたことが資料には記されています(Architectural record, Vol.12, 1902, pp.432-435)。

創価大学から、現在のブロンズ像の写真をお贈りしたところ、ローラン氏より「どの写真もとても素敵ですね。1971年当時の設置された写真には驚きましたし、祖父の詳細を刻んで設置いただいたことは本当に素晴らしいことです。フランスの主要美術館の学芸員の友人たちと共有したいと思います。像の歴史について、創価大学の学生たちに啓蒙していただけたら、特に嬉しく光栄に思います」とのお話をいただきました。由来を紹介している「創大名所マップ」にも写真を追加しました。

『Architectural record(建築記録)』12巻(1902年)の432-435頁で詳細がご覧いただけます。
かつて創立者は「天使が栄光の笛を吹いている。栄光を指さし、労働者を忘れない、という意味だよ※」と語られています。
約120年前から存在し、この度新たな由来が判明した本学のブロンズ像。
創立者の学生への期待と共に、開学以来、変わらず創大生を見守ってくれています。
※『民衆こそ王者 池田大作とその時代19』 47頁

ローラン氏よりお送りいただいた写真

※拡大してご覧いただけます

創価大学所蔵写真

ページ公開日:2024年04月18日