丹木の歳時記2025 長月(三)

足利義政、織田信長、明治天皇。この三人の共通点はお分かりでしょうか。すぐにピンときた方は、相当の歴史通。答えは、「天下第一の名香」と名高い香木「蘭奢待」(らんじゃたい)の香りを味わったという点です。
蘭奢待は正倉院に伝わる宝物の一つ。聖武天皇の時代に渡来したとされる香木の一種で、香道の世界では最高の名香とされています。「蘭」「奢」「待」の三文字の中には、それぞれ「東」「大」「寺」の字が隠されています。
言うまでもなく東大寺は、聖武天皇によって745年に創建されたもの。聖武天皇の没後、その遺品の数々を光明皇太后が東大寺に奉納したことが、正倉院の宝物のはじまりとされています。
10月25日から奈良国立博物館で開催される第77回正倉院展で実物が展示される蘭奢待ですが、なんと、その香りを体験できる機会があります。今月20日から上野の森美術館で始まった「正倉院 THE SHOW」展です。現代の技術によって作成された正倉院宝物の模造品とともに、蘭奢待の香りを再現した体験コーナーも設けられています。実物を見るなら奈良に、香りを味わいたいなら上野に足を運びましょう。












「丹木の歳時記」への感想はこちらまで
E-mail:publicrelation@soka.ac.jp
Facebookの「いいね!」やツイートも執筆の励みになります。
Instagramでも丹木の里の四季折々を紹介しています。創価大学公式アカウントはこちらから