丹木の歳時記2025 霜月(三)

 柿の実が熟す頃となりました。「里古(ふ)りて 柿の木持たぬ家もなし」(松尾芭蕉)、「柿くへば 鐘が鳴るなり法隆寺」(正岡子規)、「いちまいの 皮の包める熟柿かな」(野見山朱鳥)など、柿は多くの歌人に詠まれてきました。
 今では日本の秋の風景に欠かせない柿ですが、元は中国揚子江流域が原産地。万葉歌人として知られる柿本人麻呂がいた頃までには日本に渡来し、江戸時代には各家庭に普及していたようです。改良も進み、千種類以上の品種があるとされています。
 この秋に読んだ本に、本年の中央公論文芸賞を受賞した佐藤正午著『熟柿』があります。一人の女性がたどる切ない物語で、ドラマや映画を見ているような描写に引き込まれ、一気に読み終えました。熟柿には、「熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時期が来るのを待つこと」(大辞林)という意味もあるそうで、読後に深い余韻が残りました。
 熟柿と言えば、キャンパス内にも三十本近くの柿の木があります。柿の実は落ち葉が舞い散る晩秋のキャンパスに彩りを添え、鳥たちのご馳走にもなっているようです。

本部棟
中央教育棟
中央図書館
池田記念講堂
第一グラウンド付近
中央図書館前
ジョウビタキ♂
ジョウビタキ♀
ツワブキ
山茱萸(サンシュユ)
飯桐(イイギリ)

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