丹木の歳時記2026 長月(二)
秋風に誘われてキャンパスを歩くと、赤トンボが群れをなして飛んでいました。童謡『赤とんぼ』で「夕焼け小焼けの赤とんぼ 負われてみたのはいつの日か」と歌われた光景が思い浮かびます。ところで、あの「赤とんぼ」とは一体何トンボなのでしょうか。
一般的に「赤とんぼ」と言えばアキアカネを指すといえるでしょう。アキアカネは成熟すると赤くなり、「とまっているよ 竿の先」とあるように、体を水平にして止まります。しかし秋の夕暮れ時に飛ぶ様子はあまり見かけません。果たして歌の「赤とんぼ」=アキアカネなのでしょうか。
この日、キャンパスで見た赤トンボはどこにも止まらずに飛び続けています。そこで気になって常備している捕虫網で捕獲してみたところ、その正体はウスバキトンボでした。
ウスバキトンボは南の国から飛んできて、世代交代しながら日本の夏を過ごします。そして秋が深まるにつれ、日本で寿命を終えていくのです。どこかにとまる場合も、アキアカネと違って葉の先などにぶら下がるようにしてとまります。
そこで本欄の結論です。歌詞の中で「負われてみた」赤トンボはウスバキトンボ。竿の先にとまっていたのはアキアカネ。つまり2種類の赤トンボが遠い記憶の中と現在で混在しているのではないか、というのが筆者の勝手な推測です(笑)。
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