丹木の歳時記2026 神無月(三)
夜明け前、東南の方角を見上げると火星が輝いていました。もしあなたが火星に住んでいるとすれば、夜空には二つの月がかかります。西から昇るのは第一衛星「フォボス」。見た目は満月の約3分の1の大きさです。肉眼でも分かる早さで東へと移動していきます。
一方、東から昇るのは第二衛星「デイモス」。フォボスを除けば、火星の夜空で最も明るく輝きます。火星での見上げる場所によっては、フォボスとデイモスは頭の真上(天頂)で交差することもあります。
今月20日に打ち上げられたJAXAの火星衛星探査計画「MMX」が目指すのはフォボス。火星の上空約6000㎞を周回するフォボスには、火星由来の塵が降り積もっていると考えられています。MMXの最大の目的はフォボスへの着陸と試料のサンプルリターンです。
火星にはかつて広大な海が存在し、現在も地底には氷か液体の状態で水が存在していると推定されています。水があれば生命が存在する(した)も可能性もあります。フォボスから資料を持ち帰ることで、「生命の痕跡」が発見されるかもしれません。
MMXが地球への帰還を目指すのは5年後の2031年。かつて日本中が沸いた「はやぶさ」計画と同様に、世紀の大偉業を無事に成し遂げてほしいと願っています。
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