客員教員滞在紹介リポート ~バハルダール大学/エチオピア~

鈴木学長にエチオピア産のコーヒーを贈る

この度、エチオピア連邦民主共和国のバハルダール大学よりソロモン・エミシュ・アオケ健康科学学部長(以下ソロモン先生)、ムラット・ティルフィ・バイ助教授(以下ムラット先生)を招へいしました。海外からの客員教員の招へいは4年ぶりとなります。

ここでは、招へい期間中の模様をご紹介します。
 

バハルダール大学について
バハルダール大学は国立の総合大学で、エチオピア連邦民主共和国最大のタナ湖南岸の観光都市バハルダールを拠点としています。政府の5か年成長戦略(成長と転換計画:GTP = Growth and Transformation Plan)のもと第一世代大学と定義、設立された33大学のうちの1つとなっており、50,000人以上の学生が在籍しています。学部や研究科は計15、プログラムは409にも上ります。

創価大学との学術交流協定は2018年5月12日に締結しました。2017年より本学理工学部とバハルダール大学、インジバラ大学と共同研究を進め、2021年7月より、「ナイルの源流エチオピア・タナ湖で過剰繁茂する水草バイオマスの管理手法と有効利用プロセスの確立(EARTH)」を目的とした、科学技術振興機構(JST)と国際協力機構(JICA)による地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)「SATREPS-EARTHプロジェクト」を、バハルダール大学、本学を含む6機関で実施。その後、本学看護学部・経済学部・経営学部とバハルダール大学による児童の栄養改善に関する共同研究が実施されました。
 


1.国際看護科目の特別講義
国際保健学、国際看護特講1の授業で、特別講義を行っていただきました。
ソロモン先生からはエチオピアの文化や歴史について、バハルダール大学の理念と学部・プログラム、今後の展望について紹介がありました。
ムラット先生は「こんなに多くの海外の学生に授業をするのは初めてだ」と、最初は少し緊張されながらも、「非感染性疾患(がん・糖尿病・循環器疾患・呼吸器疾患などの慢性疾患)と栄養」とのテーマで、エチオピアの事例を基に講義をしていただきました。
 

2.特別記念講演会の開催
看護学部生を対象に記念講演会を開催。バハルダール大学の看護の特徴や強み、アフリカにおける医療の現状と課題などの紹介があり、日本と異なる大学の教育課程や医療の状況に、学生も興味深く聴講していました。
学生からは、バハルダール大学の強みと課題などについての質問があがりました。
 

記念講演会の詳細はこちら

3.看護学部学生懇談会
看護学部生との懇談会では、学生が出身県の特徴を紹介しながら自己紹介。ソロモン先生、ムラット先生は「創価大学はなぜこんなにもいろんな地域から学生が集うんですか」と驚かれ、創立の精神に惹かれて創価大学で学んでいる学生の姿に感銘していました。学生からは、エチオピアと日本の文化や医療の違いについての質問が上がりました。


4.看護学部教員懇談会

看護学部教員との懇談会では、まずバハルダール大学の紹介の後、学部教員から自己紹介を兼ねて質問が寄せられました。バハルダール大学における精神看護教育プログラムの位置付けや、看護学部生がヘルスポストでボランティアをしている現状など、エチオピアでの看護・医療の様子を語っていただきました。
 

5.民主音楽協会視察

創立者の文化交流事業を紹介するため、民主音楽協会が運営する民音音楽博物館を案内しました。文化交流を通じた人々の相互理解等を目的とし、国内だけでなく各諸外国の楽団やアーティストによる公演やコンサート活動を行っていることに感嘆されていました。また、かつてエチオピアから国立民族舞踊団を招聘したことを紹介され、遠い母国からも招聘されていたことに、驚き喜ばれていました。
 

●東京創価学園視察

生徒との懇談会では、両先生がそれぞれなぜ看護の道を歩んだのか、看護のやりがいについて、ご自身の経験を語られました。ソロモン先生からは、「看護は人のための仕事、人間的なアプローチが大事である」と述べ、人間性を磨くことの大切さを語られました。また、生徒から寄せられた「困難を乗り越えるときに心掛けていることは何ですか?」との質問に対し、ソロモン先生からはゴールを明確にすることの大切さ、ムラット先生からは友人を大事にコミュニケーションを取っていくことの重要性についてアドバイスがありました。


●送別会
看護学部生による、両先生に対する御礼の送別会を開催しました。
創価大学パン・アフリカン友好会による演目では、アフリカ西部の音楽・ダンスを楽しまれていました。
看護学部生による、書道パフォーマンス、日本文化クイズなどを行い、最後は飛びきりの笑顔で記念撮影。
 

このほか、創価大学看護学部との共同研究についての打ち合わせ等が行われ、11日間の滞在を経て、無事にエチオピアへ帰国されました。

創価大学看護学部では、教育目標の一つに「グローバルマインドを持ち、様々な健康課題に対して、人々と協同するための基盤的な力を有する人材を育成する」と掲げております。具体的には国際看護系科目を設けており、海外の交流校と連携し、対面またはオンラインにて直接海外の先生から現地の看護や医療を学ぶ機会となっています。

以下、これまで招聘した客員教員、国際看護研修のレポートが掲載されていますので、ぜひご覧ください!

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