中長期計画・学長ヴィジョン
学校法人創価大学中長期計画
2021年4月1日現在の学校法人創価大学中長期計画です。
学長ヴィジョン
1998年4月に第1回目を発表して以来、毎年度のはじめに学長ヴィジョンを発表しています。
このヴィジョンは、本学の中長期計画である「Soka University Grand Design 2021-2030」を推進するための単年度のアクションプランになります。毎年度の達成・実現度を年度末に総括し、その過程で、次年度の学長ヴィジョンの策定に入るというサイクルができあがっており、大学運営の骨格をなしています。また、自己点検・評価の一環としての役割も担っています。
2026年度 創価大学学長ヴィジョン
前文
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混迷の時代における本学の存在意義
今日、世界は激動の渦中にある。生成AIの加速度的な進展が大学教育のあり方を根底から問い直す一方で、社会の分断や自国優先主義、力による現状変更といった不透明な情勢が影を落としている。こうした時代にあって、「人間教育の最高学府」「新しき大文化建設の揺籃」「人類の平和を守るフォートレス(要塞)」たる本学の使命は、かつてないほど重みを増している。知の府である大学は、荒れ狂う時流にあっても不動の精神的支柱であり続け、時代を変革する人材を育む揺籃であらねばならない。
学長就任 1 年目となった昨年度は、本学の長年にわたる教育・研究実績が評価される年であった。文部科学省の「全国学生調査」(第4回試行実施)において、学生の「成長」や「学びの質」を高く評価した大学を学部分野ごとに選出した「ポジティブリスト」が公表された。本学は設置する全ての学部(8学部)が複数項目で上位15%に入るなど、トップクラスの評価を得た。とりわけ「幅広い知識、ものの見方」「異なる文化に関する知識・理解」といった項目で学生から高い評価を得たことは、開学以来、本学が重視してきた異文化理解や交流、多様な価値観を尊重する教育が結実してきた証左だといえるだろう。
また、英国の「QS世界大学ランキング2026」において本学は初めてランクインし、国内43位タイとなった。さらに、「THEインパクトランキング2025」では国内総合40位タイ(私立大学9位タイ)を獲得した。これは大学のサステナビリティへの貢献度をSDGsの枠組みで評価したもので、特に「SDG4:質の高い教育をみんなに」で国内2位(私立大学1位)、「SDG10:人や国の不平等をなくそう」で国内2 位タイ(私立大学1位タイ)と高く評された。
価値創造を実践する「世界市民」の育成
中長期計画「Soka University Grand Design 2021-2030」は、今まさに後半 5年という極めて重要な第2 フェーズの幕開けを迎えた。本計画のテーマは「価値創造を実践する世界市民を育む大学」である。多様性を尊重し、他者の痛みに寄り添う豊かな人間性を備え、地球的規模の課題解決に挑む。世界平和に実質的に貢献し得る人材の育成こそ、我々に課せられた至高の義務である。
その後期計画(2026-2030年度)では、世界市民教育コアプログラムの開設、教育DXの推進と教育課程の質的転換、糖鎖研究「ヒューマングライコームプロジェクト」の推進、ユネスコスクール加盟校としての教育研究の展開、日本語・日本文化教育の体制強化など、新たに15の計画が加わった。
ここで、後期計画の始動となる本年度の取り組みについて新規項目を中心に紹介する。まず「教育分野」では、経済経営学部ビジネス学科(通学・通信課程)、理工学部グリーンテクノロジー学科、同生命理工学科が開設される。また、法学部法律学科は「法律政治学科」へ、教育学部教育学科は「心理・教育学科」へと名称変更し、多くの学部・科目でカリキュラムを刷新する。そこでは、創価女子短期大学が長年培ってきた知見を継承し、全学生が受講可能な共通科目として「創価女性教育の理念と実践」「グローバル社会と女性のエンパワーメント」等の科目を新設する。また、文学部と学士課程教育機構が連携して、副専攻として新たに中国語とロシア語の「インテンシブコース」を開設する。さらに、生成AI活用に関するガイドラインの策定や、学びと経験を可視化する新しい学習ポートフォリオの運用を開始する。
「研究分野」においては、本年11月に池田大作記念創価教育研究所が中心となり「第2回世界市民教育シンポジウム」を開催する。国内外の研究機関とのネットワークを深め、世界市民教育の世界的拠点化を目指す。また、「知能ロボティクス・センシング共創拠点」を新たに認定し、独創的な研究をリードしていく。「SDGs分野」では、国際協力や外交で活躍する人材を育てる「国際協力・外交人材育成センター」を新設する。さらに「ダイバーシティ分野」では、合理的配慮を専門に担う「学習環境調整室」を備えた「障害学生支援センター」を開設する。
本年は、通信教育課程、教育学部、別科(日本語研修課程)の設置50周年、平和問題研究所開所50周年の佳節にもあたり、それらを記念する行事も計画している。
伝統の堅持と未来への連帯
我々のよって立つ基盤は、どこまでも創立者池田大作先生の思想・哲学であり、「建学の精神」にある。時代がいかに変転しようとも、「学生第一」「学生参加」の原則を揺るがすことなく堅持し、教職一体となって学生一人ひとりの無限の可能性を開花させていく決意である。この団結こそが本学の伝統であり、未来を拓く力にほかならない。また、学生参加の原則に鑑み、本年度の学長ヴィジョンには学生の意見も反映させており、学生と連帯して後期計画を推進していく。
全教職員が心を一つに、平和社会に貢献する「世界市民」を育む教育を目指し、この新たな5年を力強く邁進していきたい。
1. 教育
1. 教育
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(1) 世界市民教育の全学展開
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現在の共通科目「創価コアプログラム」を発展させ、2030 年度に「世界市民教育コアプログラム」として全学展開を目指す。創立者が米国コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジで「『世界市民』教育への一考察」と題する講演を行ってから30周年を迎える本年度を、個別プログラムが中心であった世界市民教育を全学的なプログラムとして構築し直す始動の年とする。具体的には、全学で共有できるアセスメント指標の整備や世界市民教育コアプログラムの要件定義を進めていく。
(2) 本学における教育DXおよび生成AI活用の戦略的推進
生成AIの飛躍的な進化を教育の質的転換への好機と捉え、本年度を「教育課程の制度設計と授業実践基盤の再構築始動の年」と位置づけ、全学的な改革を強力に推進する。新たに発足した「教育DX推進タスクフォース」を司令塔とし、2030年度以降を見据えた抜本的な教育課程改革へと接続する、新時代の教育モデルの構築を開始する。なお、下記の取り組みにあたっては学生と協働して進めていく。
学生に対しては、将来の社会活動において不可欠となる「生成AIリテラシー」の涵養を目指す。共通科目やデータサイエンス教育を通して、AIの仕組みへの理解や倫理・安全面への配慮、適切な活用判断力を養う教育の充実を図っていく。あわせて、正課外の学修支援等においても生成AI活用の可能性を広げ、学生の主体的な学びを支える環境整備を進める。
教員に対しては、教育・学習支援センター(CETL)等を通して、実効性のある活用ガイドラインの策定に加え、FD・SDを通じた教育力のアップデートを支援する。知識伝達型から反転授業やPBL(課題解決型学習)等へ教育方法の改善・改革を加速させ、生成AIとの共存を前提とした、より高度で創造的な大学授業の実現に向けた体制を整えていく。(3) 学生参画による教学マネジメントの進展と、着実な内部質保証サイクルの実施
可視化された学修成果の活用を学生と協働して取り組むことで、学生の主体的な学びを促し、教学マネジメントにおける学生参画をさらに進展していく。
また、「3つのポリシー」と「ラーニング・アウトカムズ」に対する学生認知度の向上の取り組みは、引き続き学生自治会等と連携を図りながら推進していく。
さらに、2028年度に受審を控えている第4期認証評価に向けて、本学がこれまで推進してきた自己点検・評価、および毎年実施してきている外部評価委員会の取り組みも着実に遂行していく。(4) ポートフォリオを活用した教育・学習の振り返り強化
本年度は、新たなFD・SD3ヵ年計画「価値創造を実践する世界市民の育成に資する教育体制の構築」の初年度である。昨年度までの 3 ヵ年計画で取り組んだ相互評価文化を深化させつつ、世界市民育成に資する教育体制の構築を進める。
教員においては、昨年度までで定着してきたティーチング・ポートフォリオを発展させ、教育・研究・大学貢献を総合的に振り返るアカデミック・ポートフォリオの導入検討を開始する。
一方、学生においては、4月より新しい学習ポートフォリオの運用を開始し、大学生活で得た学びと経験を成長の軌跡として可視化できる仕組みとしてだけでなく、大学および学部・学科のディプロマ・ポリシー達成度を測る質保証ツールとしても活用していく。(5) 地域と連携したサービスラーニングプログラムの実施
八王子市関連事業のボランティアプログラムを活用した実践的サービスラーニング科目として「ボランティア実習」を設けている。本年度より履修条件を緩和するとともに、八王子市等との連携を進めボランティア実習先を拡大し、より多くの学生がボランティア活動をできる環境を整えていく。 また、サービスラーニング系科目の拡充を通じた価値創造教育の促進に向けて本年度中に検討を開始する。
2. 研究
2. 研究
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(1) 重点研究の推進と新拠点の認定
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本学における先端的かつ独創的な研究活動をリードする「重点研究拠点」について、糖鎖生命科学融合研究拠点、プランクトン工学研究拠点、マレーシア研究拠点の既存3拠点に加え、本年度より新たに「知能ロボティクス・センシング共創拠点」を認定した。同拠点では、産業界との連携を軸とした情報工学分野の研究開発を強力に推進していく。また、独創的な研究やSDGs達成に寄与する課題を支援する「重点研究推進プロジェクト」についても、引き続き本学が強みを持つ研究領域に対し重点的な支援を行う。
(2) 創立者の思想・実践および創価教育に関する研究の推進
池田大作記念創価教育研究所では、本年11月に「第2回世界市民教育シンポジウム」を開催する。分断と対立が深まる世界において、創価教育が掲げる理念がいかなる貢献を果たし得るか、世界の研究者と連携し発信する重要な場とする。また、本シンポジウムについては、可能な限り学生も参加できるよう検討する。さらに、ANGEL(Academic Network on Global Education & Learning)や ECER(European Educational Research Association)等の国際会議におけるセッション主催等を通じ、国際共同研究のネットワークをさらに拡大させる。出版事業においては、『歴史と人物を語る』(上下巻)に続き、本年度は創立者の未収録エッセイ等を編纂した『文化と芸術を語る』(仮)の編集・刊行に協力するほか、創立者の思想・実践記録のアーカイブ構築に向けた準備を進める。
(3)「ヒューマングライコームプロジェクト(HGA)」および「共同利用・共同研究拠点 糖鎖生命科学連携ネットワーク型拠点(J-GlycoNet)」について
糖鎖生命システム融合研究所が参画するHGAの活動において、本年度は特に「認知症における糖鎖遺伝子の変異と脳機能の関連」を明らかにしていく。あわせて、各セグメントから提供される糖鎖情報(構造・変異・活性等)の格納(preTOHSA)を拡張していく。J-GlycoNetにおいては、糖鎖研究を推進するための共創的研究プラットフォームとして、多様な分野との統合・融合的な糖鎖研究を立案し、国際共同研究の推進を通じた、国際研究ネットワークの拡大に取り組んでいく。
(4) 研究マネジメント体制の強化と社会実装
研究成果や知財の社会実装、大学発スタートアップの創出を加速させるため、高度化する業務に対応しうる「研究開発マネジメント人材」の育成に注力する。科研費等の競争的資金獲得に加え、受託・共同研究など産業界からの外部資金獲得を積極的に推し進め、研究の社会的価値を最大化することを目指す。
(5) 適正な研究活動の推進
研究インテグリティおよび研究セキュリティの重要性が高まる情勢に鑑み、体制整備を一層強化する。e ラーニング教材「eAPRIN」の受講徹底や大学院生への研究倫理教育、コンプライアンス教育を継続・強化し、信頼される研究環境を構築する。
3. SDGs
3. SDGs
(1) ユネスコスクール加盟校として教育・研究を展開
ユネスコが主導して国際的に取り組まれてきた ESD(持続可能な開発のための教育)を進展させるために、国内外のユネスコスクールとの連携強化をすすめる。また、学生団体「創価大学ユネスコクラブ」の地域活動 ・学校での活動のサポートを強化する。さらに、海外英語研修を兼ねたユネスコスクール研修を実施する。
国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR)、 国連世界食糧計画(WFP)、国連開発計画(UNDP)、国連食糧農業機関(FAO)、国際熱帯木材機関(ITTO)等と連携して平和講座を開催する。また、各機関が主催するセミナー等への学生参加を推奨し、各機関のインターンシップに参加できる学生・大学院生の育成を進める。
(2) SDGs・国際協力分野での人材育成体制を強化
本学では国際公務員や外交官をめざす学生のためのプログラムを充実させ、多くの人材を輩出してきた。こうした教育資源をより効果的に運用し、「国際協力・外交人材育成センター」の開設を推進する。
学生によるSDGsのためのアクションのアイデアを募る 「 SDGsグッドプラクティス」コンテストおよび「SDGs ・対 ネットワーキング会合」をより多くの学生が参画するものへと内容をさらに充実させて開催し、地域社会に有益なグッドプラクティスの創造を支援する。
(3) SDGs達成を促進するキャンパス運営及びエネルギー計画
本学は、2050年のカーボンニュートラル達成を目指し、2021年4月に学校法人創価大学として「気候非常事態宣言」を表明した(私立大学では3番目)。2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップ(2024年度公表)に基づき、本年度には創価女子短期大学校舎屋上に本学として4施設目となる太陽光発電設備を導入し、学内における創エネルギーの拡大を着実に進める。加えて、学生一人ひとりがサステナブルな学生生活を実践するためのヒント・アイデア集を作成し、全学生に周知していく。
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4. ダイバーシティ
4. ダイバーシティ
(1) 障害のある学生への支援体制の整備
昨年度に行った規程の見直しおよびガイドライン改正を経て、本年度より「障害学生支援センター」を新たに開設する。同センターの下には、障害のある学生が等しく教育を受けるための環境整備と合理的配慮の調整を専門に行う「学習環境調整室」を設置する。当該部署を中心として、「守られる支援」から「自立を拓く支援」への転換を図り、卒業後の社会参加までを見据えた、実効性のある学習環境の調整と支援体制を確立していく。
(2) 社会人等の受け入れ推進
社会人の多様な生涯学習ニーズに応える新たな学びの場を創出することは、世界市民育成の理念を社会へ還元する重要な使命である。具体的には、「創大リカレント教育プログラム」の設置に向けた具体化を進める。通信教育課程の文学部の「日本語・日本文化コース」においては、すでに多くの学生が登録日本語教員試験に合格する成果を挙げているが、今後は登録日本語教員養成機関・実践研修機関としての認定を目指す。日本語教師のみならず、地域や職場で多文化共生を推進する人材に対し、「多文化共生社会創造のための学び」を提供することで、世代を超えた多様な学生の受け入れを積極的に推進していく。
(3) ダイバーシティ・インクルージョンなどの取り組み
「ダイバーシティ・インクルージョン推進センター」を中心に、女性教員・職員・管理職比率の向上に向けた施策を継続強化する。本年度は新たな取り組みとして、創価女子短期大学との共催による女性管理職研修を実施し、ロールモデルの提示を行う。また、多様な SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)(性的指向・性自認)への理解促進のため、専門相談窓口の設置やガイドライン策定の検討を進め、より包摂的なキャンパス環境の構築に取り組んでいく。
(4) グローバルネットワークの強化とキャンパスの国際化
文部科学省スーパーグローバル大学創成支援事業のレガシーである「グローバル化の自走化」を推進する。昨年度の「QS世界大学ランキング」ランクインや、「THEインパクトランキング」での高評価など、客観的に証明された本学の強みを基盤とし、さらなる国際的プレゼンスの向上を図る。具体的には、海外拠点機能の拡充や戦略的なネットワーク構築を行うとともに、学部留学生受け入れについては「2030年までに1学年200名」の目標に向け、海外でのリクルート活動強化、指定校推薦の拡充、支援体制の質的転換を図る。さらに、連続セミナー「Soka Global Perspectives」等を通じ、学生の多角的な国際的視座を涵養する。
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2025年度以前の創価大学学長ヴィジョン
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