尾沼広基氏(独立行政法人経済産業研究所・研究員(政策エコノミスト))に講義を担当いただきました。
6月30日(木)、経済学部の授業「経済特論Ⅲ(気候変動の経済学)」(担当:蝶名林俊准教授)にて、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)で研究員(政策エコノミスト)をされている尾沼広基氏にゲストスピーカーとして講義をしていただきました。
尾沼氏は、創価大学経済学部を卒業し、東北大学大学院環境科学研究科で博士前期課程を、九州大学大学院で博士後期課程を修了された後、早稲田大学環境経済・経営研究所にて次席研究員を経て現職に就かれました。
尾沼氏には、現職での業務内容や現在取り組まれている研究課題についてお話しいただきました。まずは、日本のEBPM(Evidence Based Policy Making:証拠に基づく政策立案)に関連してRIETIでの取り組みなどを紹介され、データに基づく事後検証型の政策評価や、大規模プロジェクトなどの経済効果の事前評価の重要性について説明されました。次に、災害リスクはハザード、曝露、脆弱性の三要素から成立し、気候変動という災害に対して緩和策を取らなければ、そのハザードが拡大の一途をたどる可能性を指摘されました。さらに、日本の家庭防災備蓄に関する現状と研究をご紹介いただき、個人防災におけるモラルハザードの理論的背景にも言及していただきました。最後に、学生からも質問が寄せられ、丁寧にご回答いただきました。