2022年08月16日 11時00分

留学体験(岸健太郎さん・49期生4年生・モントリオール大学)

留学の目的、その国や大学を選んだ理由

 私の交換留学の最大の目的は、将来、海外で働く際に必要となる英語力の向上と世界中に友人を作ることでした。そのため、世界各国からの移民が集まる英語圏であるカナダに行きたいと思い、交換留学の第一から第三希望先をすべてカナダの大学にしていました。しかし、自分は当初、確実に留学に行くために英語のスコアばかりに注意を向けていたため、大学のある地域のリサーチを行っていませんでした。その結果、結局フランス語圏であるケベック州に位置するUniversity of Montreal(通称UdeM)に行くことが決まりました(笑)。全く予想していなかった地域での長期留学に対し当初は自分の失態ではあるものの、留学を辞退しようと思いました。しかしゼミの先生から激励され、不安な気持ちはあったものの留学に行くことを決めました。

大学の概要、特色

 モントリオールのダウンタウンから車で15分ほどの距離にあるUdeMは仏語の大学機関であり、カナダの中でもTOP5に入る名門校であり特に理学分野は世界トップレベルです。学生は、ケベック州やフランス、レバノン、チュニジア、カメルーン等のフランス語圏と中国から多く来ており、日本人に関しては留学中に創大生以外では2人しか会いませんでした。とは言っても英語の授業のみで構成されたコースがあったり、学生も英語を話すことができるので、フランス語が話せないことによる不便さはあまり感じませんでした。ただし交換留学生が登録可能な英語話者用のコースは、Bachelor in English StudiesとMaster in Business Law in a Global Contextの2つしか存在しないため、学ぶ選択肢は限られてきます。私の場合は2021年の秋学期に前者を、2022年の冬学期に後者を履修しました。特にMasterの方は、世界各国の弁護士や弁護士を目指す優秀な学生たちが国際ビジネス法について学びを深めるコースで、世界レベルの授業を体感する貴重な経験をすることができました。

現地での学びや活動状況

バスケのチームメイトとの集合写真
 ここでは、留学の活動状況を日常面と授業面に分けてまとめます。まず日常生活に関しては、留学開始直後は英語を使ってのコミュニケーションで非常に苦労しました。日本にいた時の英語学習はIELTSやTOEFLに向けての勉強が中心だったため、カジュアルな会話表現やスラングなどに触れたことがなかった私にとって、教室外での会話は大苦戦でした。また、ユーモアのある話を自分からすることもできず遊んでいても心の底から笑えることがなくて、ホームシックの日々が続いたことを覚えています。その状況を打破するために、NetflixやTed talkなどを利用して会話表現や話し方等を学び、語学に磨きをかけました。その結果、授業内でも外でも様々なトピックで会話を楽しむことができ、一気に留学が充実しました。また学内だけでなく、バスケのクラブチームや環境保護ボランティア、そして国際言語交流イベント等を通じて、共通の情熱や趣味を持った友人たちと深い絆を築くことができました。特に冬学期に参加したバスケのリーグ戦での優勝や友人たちとのカナダ巡り旅行などは良い思い出です。
 授業面に関しては、先ほども記したように秋と冬で異なるコースに所属していましたが、冬のmasterコースは苦難の連続でした。具体的には融資時における担保法や、国際貿易における国際法と国内法、新興国における法整備などを学びましたが、私自身法律の勉強経験はなかったため、最初の授業は教授やクラスメイトの話す内容がさっぱり理解できませんでした。そのため、予習して内容をある程度理解したうえで授業に参加したり、クラスメイトに教えてもらったりと授業外で勉強することを意識して何とか落胆せずに済みました(笑)。ただ授業自体は非常に興味深く、類似する判例をもとにして事例に適用可能な法律を探したり、一方の立場の意見を支える根拠を法律から探す作業はゲーム感覚があって楽しかったです。その中でも一番良かったなと思うことは、やはり世界中から来た優秀なクラスメイト達と励まし合いながら勉強できた環境そのものです。どんなに苦境に立たされても、めげずに立ち向かうことの大切さを痛感しました。

留学の成果

2泊3日の旅行に友人たちと出かけたときの1枚
 最も大きな成果は、出会った人々の生き方や考え方からたくさんの刺激を受けたことです。特に、他人の目を全く気にせず自分の好きなこと、成し遂げたいことに向かって、楽しく進んでいる彼らの姿勢は、自分の凝り固まった人生観に大きな影響を与えました。例えば、化石燃料を多量に使用する企業への大学資金運用の引き揚げを求めてデモ活動する学生や市内のフードロスを減らすために毎週末NPOで働く現地の方々、60歳を超えても学びを追求するクラスメイトやインフルエンサーとして世界中を旅する友人などです。日本にもそういう方は多いと思いますが、今まで自分をしっかり見つめずに、周りに流されてキャリアを考えてきた私にとっては、生き方に成功も失敗もないし自分の好きなようにデザインして良いという事を認識する大きなきっかけとなりました。

今後について

 私は現在専攻している環境経済学の授業を通して、環境保護と経済発展の両立を経済・金融業界の視点から貢献することをキャリア形成の主軸として考えています。その第一歩として、創価大学卒業後は海外大学院で経済と金融の修士号を取得する予定です。また、環境金融業界では企業の脱炭素化を推進するうえで金融機関等の民間企業の能力がカギを握っているので、大学院卒業後は民間就職をしたいと考えています。

後輩へのアドバイス

ブラジル人の友人とレストランに訪れた時の1枚
 自分からは2点伝えたいことがあります。まずは、留学前に語学は可能な限り勉強しておこうということです。留学をするにあたって受け入れ先から語学スコアの条件などを提示されると思いますが、それはあくまでも最低限授業についていける語学レベルを保障するものであり、実際に理想の留学を実現するレベルを満たしてくれるものではありません。私のようにアカデミック英語に触れるだけでなく、様々なツールを駆使して楽しく学んでください。2点目に、どこに留学したとしても自身が挑戦することをあきらめない限り、必ず悔いのない留学を送ることができるということです。自分の留学経験は正直予想していたものとは大きく異なりましたが、壁にぶつかるたびに考えて努力した結果、最高の留学生活を送れました。前進する限り選択への後悔は現れないので、皆さんもぜひ留学に挑戦してください。
(留学期間:2021年9月~2022年5月)
ページ公開日:2022年08月16日 11時00分



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