2023年04月24日 17時00分

留学体験(山本拓実さん・香港中文大学)

Q1. 香港中文大学に留学されていたそうですね。

はい。2021年9月から2022年5月までの9か月間、東洋と西洋の文化が交わり、国際的なビジネスゲートウェイと言われる香港の香港中文大学(CUHK)に留学していました。
学生の3分の1が留学生という国際色豊かな大学で、第1セメスターは、計量経済学・行動経済学・マーケティング等の授業を受講しながら、現地の小学生に英語を教えるプログラムなどに参加していました。第2セメスターは、COVID-19の影響で全面オンライン授業に変更となりましたが、香港に身を置きつつ、課外活動と並行して、学部最高難易度のベイズ統計学に挑戦しました。
 

Q2. なぜ、その国・大学を選びましたか?

入学時から、留学への思いはありましたが、当初は「語学力の向上」を目指していました。一方で、経済学部のプログラムであるIPで、英語を使って経済を学ぶ中で、英語はあくまでも“ツール”に過ぎないと感じ、「英語を使って何かをしたい」と思いました。また、どこか自信を持てない大学生活を過ごす中で、留学を通して「自らの専門性を磨きたい・自身の武器を身に着けたい」との思いを抱くようになりました。その上で、①多国籍の学生とディスカッションする機会が多い事、②アジア7位の大学において、日本で開講されていない高度なベイズ統計学やデータ分析等の科目を留学生でも受講できる事、③大学1年次からお世話になっていた先輩方から経験談を直接聞いた事、が決め手となり、最終的にCUHKを選択しました。
 

Q3. 留学中に、香港人・留学生の日本への関心・興味に驚いたそうですが?

香港≒東京といっても過言ではないくらい、日本のモノがありふれていました。
アニメは大人気、日本食レストランも行列ができており、スシローは3時間待ちになるほどの人気ぶりでした。“日式OO”という店も増えており、「これは何なんだ?」みたいなものも売っていたりして面白かったです。また、沖縄・九州・北海道など、私以上に日本を観光している学生が多く、逆に日本の事を教えてもらう事がありました(笑)
このようなエンタメ要素だけでなく、学生と日本の文化などについても話をしたりする中で、客観的に日本という国を見れた事は非常に良い経験となりました。
「当たり前」と思っていた事に感謝すること、時には疑ってみること、の重要性に気づけました。
 
Q4. 留学中は、アウトドアな活動が楽しかったそうですね。

島観光やハイキング、街中散策など、香港内を駆け回りました。
トラムやフェリーなど日本では中々乗れない乗り物もあったので、よく使っていました。値段が安いのも魅力的で、フェリーも2ドル(約30円)で乗れました。MTRという地下鉄も非常に便利かつ安かったので、全駅で降りて、好きなパン屋を見つける目標を立てました。残り数駅を残してしまったので、いつか達成させたいです。ハイキングは、日本ではほぼしてこなかったですが、道中の何気ない会話や・絶景を見る事にハマり、数えきれないくらい登りました(笑)。あとはグルメですね。街の屋台の様なところで大皿を注文したり、飲茶でメニューの端から注文したり、皆でワイワイ言いながら食べるのがとにかく楽しかったです。1人前の量が多いので注意しましょう。
 
Q5. 留学中に、現地の授業スタイルに慣れる事に苦労したとお聞きしましたが

はい。日本での学びと異なる点が大きく2つありました。
1つ目は求められるレベルの差です。課題1つをとっても、5時間以上かかるものがあったり、スピードも圧倒的であった為、事前に予習していないと置いていかれました。
2つ目は、実践的な学びが意識されている点です。授業は、ただ講義を聴く場ではなく、事前に学んできた事をアウトプットするいわゆる反転学習型のもの・ハンズオン型で手を動かしながら学ぶものが多かったです。
留学当初は、授業に置いていかれる中、高いプライドが邪魔をして、周囲の力を借りれず、自分だけで何とかしようとして、でもできず、自己肯定感が下がる毎日でした。ですが、他の学生が、教授に積極的に質問している姿や、学生同士でFBをし合っている姿を通し、しっかりと自己開示して、周囲の助けを貰う事の重要性に気づきました。その上で、ただ頼るだけではなく、しっかりと謙虚な姿勢で伺い、そこでもらった事を素直に受け止め、実践に移していく事の重要性を学びました。 
 
Q6. 留学中には、インターンシップで香港商工会議所での活動も行われたそうですね。

「香港にいるからこそできる事は何か?」という思いから、現地の社会人と多くの交流を持つことができる香港商工会議所の学生チームに参加し、様々な活動に参加してきました。日本企業の香港支社で働かれている方や、外務省・総領事館で働かれている方々と話をする貴重な機会を得ました。また、アウトプットとして「日本の食料輸出に対する取り組み」というテーマの研究を行いました。日本企業が持っている「海外では高い物が売れる」というブランド嗜好と現地マーケットのgapに目をつけ、強みである統計知識を活かした決定木分析などを行い、日本がコストと時間をかけて開拓した市場を価格優位性の高い他国が侵略していく現在のビジネスモデルに対し問題提起をし、マスマーケットを抑えるマーケットイン 型のモデルを提案した。プレゼンを政府関係者の前で発表し、肯定的なフィードバックを頂いたことは自信に繋がりました。
 
Q7. 留学していちばんよかったのは、アクティブになれた事だそうですね

留学生活を通して、恥じらいを捨て、積極的に人と関わるようになり、幅広い年齢層や多国籍の方々と、垣根を作らずにコミュニケーションをとる事が苦手ではない事に気づけました。留学当初は、人見知りの性格や、広東語が話せない事・拙い英語をコンプレックスに感じ、人と交流する事に抵抗感を覚えていました。ただ、このままではいけないと感じ、自ら輪に入っていくように心がけました。言語の壁を感じる時もありましたが、誠実な姿勢で伝えたい事を表現しました。そのおかげか、みな親身になって耳を傾けてくれ、小さな勇気から、かけがえのない友人を世界各国に作ることができました。また、新年の家族の集まりに招待してもらうなど忘れられない思い出を築くことができました。今でもSNS等で頻繁に連絡を取っており、これから観光地を訪れる旅行だけでなく、友人に会いに行く旅行ができるのが楽しみです。

 
Q8. これから留学を目指す後輩達に一言お願いします。

前提として、「留学する=成長できるし、キラキラした日々を送れる」ではありません。私の場合は、泥臭く、地道な努力が必要でした。他者と比較して、心が折れそうな時もありました。ただ、留学をしなければ得られなかった数々の事を思うと、留学の選択をしてよかったと改めて思います。
留学前や留学中に、多くの方に相談させていただき、充実の留学生活にすることが出来ました。その際に、「自分の思いを言語化できるかどうか」が重要だと思います。「やりたい事」「なりたい姿」などをしっかりと考えて、充実の留学を実現させてください!
ページ公開日:2023年04月24日 17時00分



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