留学体験(山内志穂さん・ イタリア・ボローニャ大学)
Q1. 留学の目的、その国や大学(学校)を選んだ理由
留学の目的としては、主に4つありました。1つ目は、語学力の向上、2つ目は、異文化の理解、3つ目は、世界中に友人をつくること、4つ目は、自分が幼少期の頃から憧れていた海外を自分の目でしっかりと見てくることです。
国・大学を選んだ理由は、自分が憧れていた地域であったヨーロッパであったこと、ゼミで勉強していた環境問題関連の授業が開講されていたこと、学内プログラムの全体講義で、創立者のボローニャ大学講演を学んだこと、が挙げられます。複数希望留学先を出し、選考を経て、ご縁がありボローニャ大学に留学させていただきました。
Q2. 大学の概要、特色
ボローニャ大学は、1088年に創立された世界最古の大学と言われています。学部は31ほどあり、創価大学と比較して、大規模な大学となっています。卒業生には、コペルニクスやダンテなど著名な方々がいます。ヨーロッパ中からの学生が多く集まってくることが印象的な大学です。日本でいうキャンパスがなく、まるでボローニャの街全体がキャンパスであるかのように街の中に大学の建物が点在しています。そのため、授業ごとに建物、場所が異なることがあり、教室移動時には、町中を歩くことになることが特徴的です。いくつかのボローニャ大学の建物は、観光地となっている場所もあり、教室の天井に綺麗な西洋画が描かれていたり、教室に向かう階段には石像があり、日常的に芸術を感じることができます。
Q3. 現地での学びや活動状況
授業では、開発・環境・EU関連の授業を履修しました。EUでの各国ごとの意見や、EU外の国の視点からの意見など多様な意見を聞くことが多く、とても学びになりました。授業の難易度は、科目によって異なりましたが、一回の授業の内容がとても濃く、教授から配られる資料の数も多かったことから、たくさんのことを学ぶことができ、とても充実していました。
また、現地では難民問題をすごく身近に感じました。イタリアは、難民の方々がアフリカからヨーロッパに入ってくるときのいわゆる窓口のようになってます。普段、難民問題をニュースで見るときは、難民側の視点が多いと思うのですが、留学生活を通して、難民の受け入れ国側の視点を考える、また受け入れ国側の実態を学ぶことができる良いきっかけになりました。
日常生活では、同じ寮の学生と意見交換や文化交流を行いました。現地の知り合いの方に日本文化に興味があり、日本語を勉強されている方を紹介していただき、日本語を教えたり、日本文化について話す機会もありました。また、現地の方々と平日の夜に一緒に食事をしたり、休日には日帰り旅行に行きました。留学生活に慣れてきた頃には、連休に一人旅を行い、イタリアの文化・芸術を自分の目で見て、触れて、感じることができました。
Q4. 留学の成果
自分にとってかけがえのない人々と出会うことができました。イタリアで出会った方々は、エネルギッシュであり、笑顔が素敵なとても親切な方ばかりで、自分が不安なときには、いつも支えていただきました。私は、留学前、なかなか人に対して素直な気持ちで接することができなかったのですが、留学中、自分が素直な気持ちで接することができる方々とお会いすることができ、そのような人々との出会いは、自分の人生において財産だなと感じています。また、私は、今までロールモデルというのがなかったのですが、イタリアでお世話になった方々を通して、自分も将来はこういう人になりたいとの思いを抱くようになりました。自分が今後の人生において、どのように生きていきたいのか、どのような姿になりたいのかについて考えることができました。
Q5.自分自身の今後と留学を考える後輩へ
さらなる英語力の向上はもちろんのこと、留学当時、精神的に余裕がなく、なかなか勉強することができなかったイタリア語の習得に向け、人生を通して語学学習に励んでいきたいと思います。進路に関しては、日本のモノづくりに携わりながら、気候変動対策に貢献できる企業への民間就職を目指しています。また、仕事とは別で、将来的に、通訳案内士の資格を取得し、留学先でお世話になった方々が日本にいらしたときに、観光のお手伝いができるようになりたいと考えています。
少しでも留学に行きたいとの思いがあるなら、挑戦してみることをおすすめします。私は、幼少期から留学に行く夢を持ち続けていました。しかし、容易でない語学学習や、コロナ禍の影響もあり、留学に行くのを辞めようかと思ったこともありました。それでも、大学時代に留学に行かなかったら、自分の人生で後悔すると思い、交換留学に挑戦させていただいた次第です。実際に現地に行くと、思っていたよりも大変で挫折の毎日でしたが、それでも留学生活は自分にとってもかけがえのない何事にも代え難い経験で、本当に心から留学に行って良かったと思っています。不安な気持ちもあるかと思いますが、みなさんにぜひ挑戦していただきたいです。
留学期間:2022年9月~2023年7月