循環型経済を実践するビジネス活動を視察(掛川ゼミ)

  7月6日、経済学部掛川ゼミ(掛川三千代教授)の学生たちは、循環型経済のビジネスを実践する株式会社日本フードエコロジーセンター(J.FEC)を訪問し、「食品ロスに新たな価値を」とのモットーの下、ビジネスを行っている現場を視察し、企業の方との意見交換を行いました。
日本フードエコロジーセンターは、日本政府(SDGs推進本部長)から2018年12月、第2回「SDGsアワード」最優秀賞を受賞した企業でもあります。
 現地では、同センターの高原事業部長が温かく迎えてくださり、学生たちは事業についての説明を受けました。同社は、廃棄される予定の食品(賞味期限切れなど未開封のもの)から、養豚用の液体飼料を製造し、循環型経済を実践しています。廃棄予定の食品は、1日、約40トン受け取り、2日ほどかけて約42トンの飼料を製造しているとのこと。それらの飼料は周辺及び一部は宮城県まで運送され、契約済の養豚場で飼料として使われているとのこと。また、この飼料は液体であるため、豚にとっても乾燥した飼料よりも健康上に良いとのこと。更に、このように循環させた飼料は、輸入飼料よりも安価であるなど、多くの利点があるとの説明を受けました。 
 また、飼料に不向きな廃棄予定の食品を使ったメタン発酵により、エネルギーと肥料原料を製造する関連企業(さがみはらバイオガスパワー株式会社)も連携して運営しており、そちらの現場も視察しました。

 視察に参加した学生からは、以下の感想がありました。

  • 創業当時から、1日も休まず工場を稼働されているという話を聞き、循環型社会の構築に向けて、一切の妥協をすることなく、取り組まれている点に感銘を受けました。
  • 最大の学びは、「循環させる」とは、どのようなことを意味するのかを体験できたことです。
  • 夏場でも暑い工場の中、長袖、長いズボンを着用して作業をされている人たちのお陰で、食品ロスもある程度削減できていることを学びました。
  • 今回の企業訪問を通じて、食品ロス削減の重要性を学ぶことができました。自分自身も食品ロスを削減するための取組を、積極的に行うようにします。また、周囲の人たちにも、その重要性を伝えていきます。
  • 運び込まれてくる廃棄予定の食品を見て、食品ロスを削減することの大切さを学びました。
  • 循環型社会の実現が、単なる理想論ではなく、環境への負荷を抑えながら、飼料化の過程で乾燥しない「リキッド発酵飼料化」を実現させたという点に感銘を受けました。
  • 大変貴重な経験をさせていただきました。食品ロス問題をはじめとするSDGs関係の問題に更なる関心と、問題に対して解決していきたいとの意欲が高まりました。ありがとうございました。

訪問した株式会社日本フードエコロジーセンター
工場内を見学
バナナとスイカの皮が、処理機に投入されていた
運ばれてきた春巻きの皮。処理しやすいように皮を剥がしている。
2023年秋、対面に完成した「さがみはらバイオガスパワー株式会社」。油分が強い天ぷらかすなど飼料化に不向きな食品残さは、こちらでメタン発酵させ、バイオガスで発電している。電気は固定価格買取制度で売電している。
後ろの丸いタンクでメタン発酵、バイオガスを生成中。
視察の後は、皆で意見交換。
学生からの感想を伝え、大学との連携の可能性についても提案した。
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