「社会貢献と経済学」第9回授業が行われました
11月14日の4時限に、社会貢献と経済学の第9回授業が行われ、今回は、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(以下、JPF)渉外広報部の森山俊輔氏を迎えて行いました。
JPFは2000年設立のNGOであり、海外での自然災害・難民発生等の際の日本のNGOによる迅速で効果的な緊急人道支援活動を目的として、NGO、経済界、日本政府の共同で設立されました。森山氏は元フジテレビ社員としての経験をもとに、JPFの広報活動を担当されています。
森山氏は、「NGOとマスコミの視点の違いについて」と題して講演。はじめにJPFの活動について説明され、中間支援団体として、政府や企業から預かる資金を各NGOに配分することを通じて、日本や世界で起こる紛争や災害への救援を行っていることを話されました。また森山氏は今年1月に発生した能登半島地震での災害現場を訪れ、災害発生から11カ月近く経つも復旧にしばらく時間がかかっている様子などを伝えていただきました。また森山氏は、「テレビは記者が見たこと聞いたこと、カメラが捉えたことしか伝えられない。それは災害のごく一部でしかない」と述べられました。
森山氏の講義の後、学生はグループごとに分かれ、ディスカッションを行いました。その後、森山氏との質疑応答が活発に行われ、その中で「支援を終えるタイミングというのはどういうタイミングなのか?」との問いに、「核心を突く質問ですね」と前置きした上で、「ずっと支援を受け続けることはよくないことであり、大事なのは自立する道を作ってあげて終わることです」と話されました。
以下、参加した学生の声の一部です。
- 今日の授業やジャパンプラットフォームの動画を視聴し、「伝える」ことと「知る」ことの重要性を強く感じた。ジャパンプラットフォームを通じて、多様なNGOの取り組みを知ることができる。また、その取り組みに賛同した人が、イベントに参加したり他人に取り組みを広げたりすることができる。ジャパンプラットフォームのような、それぞれの団体をつなげて活動の幅を広げていく組織の役目は大きいなと感じた。「伝える」ということは一見微力なものに感じられるが、その力は大きいのかもしれない。また、メディアは関心を引くものを取り上げるという特徴のために、ピークを過ぎたら報道しなくなってしまう。以前、被災地の方の話を聞いた際、忘れ去られてしまうのが怖いと言っていたことを思い出した。メディアの情報に限らず、授業を通して聞いた話などから、自分にできることを考えて行動にうつしたり、人に伝えていきたい。
- 支援を終えるタイミングを決めるキーワードは「自立」という言葉が印象に残った。長期的な目で支援を行う事業の場合は自立を視野に入れていることが多いが、緊急支援においても自立を一つのキーワードとしていることに少し驚いた。確かに、東日本大震災や能登半島地震の話を聞いていると、災害直後もその後も、中長期的な支援を必要としていることがわかる。支援を終えるタイミングを定めることは意外と難しいことだなと感じた。自立を促すためには、地域のつながりや温かい輪を大切にし、さまざまな人を巻き込みながら活動をしていくことが必要である。あくまでも主体は地域の人々であるため、それを忘れずに活動していくことが重要だなと思った。