「社会貢献と経済学」第11回授業が行われました
11月28日の4時限に、社会貢献と経済学の第11回授業が行われ、今回は、株式会社JTBの影山葉子氏を迎えて、「JTBの地域交流ビジネス~企業活動と社会貢献の両立~観光産業の現状、東北復興の歩み」と題して、40分ほどの講義を行いました。
はじめに観光産業の現状をデータを用いて紹介。現在、メディア等で盛んに取り上げられているインバウンドの経済効果をわかりやすく説明されました。一方で、外国人延べ宿泊者数における地域別シェアでは首都圏や近畿圏に集中しており、東北地方にいたっては、2023年度において、2%未満のシェアしかないと話されました。
次に、影山氏が取り組まれた東北沿岸地域における観光復興支援の取り組みについて、紹介されました。2011年の東日本大震災の発災後、女性限定のボランティアのニーズがあり、それに応える形で、ボランティアツアーを開始されました。参加された方からはとても好評でその後、「東北ふるさと課(化)」との会社公認のプロジェクトとなり、影山氏自身が「ボランティアではなく仕事で関わる決意をした」と話されていました。また「観光チーム気仙沼」を立ち上げ、マグロ船の乗船体験の旅や、日本酒の海中貯蔵といった取り組みを企画・実行したことを紹介。
最後に、観光産業の10年後を見据えて、今後意識していくこととして、①従来型の観光資源がある場所だけが観光地ではない②観光客の繁閑の平準化課題への取組み③ローカル経済圏の形成④旅行スタイルの見直しといった4点を強調。学生にはいつかは自分の足で東北沿岸への訪問をしてほしいと話され、講義が終わりました。質疑応答では「東北が東京や京都に負けないものは?」との問いに「やはりそこでしか味わえない食事でしょうか。海から上がったばかりのカキのおいしさは絶品です」と答えていました。
以下、学生の声を紹介します。
- 企業が掲げているミッションとして、「出会いと共感をサステナブルにつくり続ける」という言葉が印象的だった。「共感」を作るために、さまざまな体験活動を企画しているのだと思った。
- 今日の授業で感じたこととしては一貫して旅行業全体のことを考えて事業をしているのがよくわかりました。JTBさんは今後の旅行業界のみならず観光産業を主としている地域に対して様々なアプローチを行っていることが素晴らしいと感じました。地方創生を考えていく中で観光産業の根幹となる観光資源の発掘に力をいれている部分はかなりの労力がかかり大変だと思います。その上で旅行プランを作成して結果が出るということは並大抵のことではないと思います。広報という観点に私はすごい興味があって地方の旅行プランにどのように興味を持ってもらうのかがすごく気になりました。
- 「産地で食べる贅沢」という言葉が印象的でした。産地でしか食べられないものがあったり産地で食べるから更に美味しく感じるという点が旅行の良さだと思いました。また、「地元の人と共存する観光でないと発展しない」という言葉も印象的でした。