SDGs達成に向けて実践する企業を訪問しました(経済学部 掛川ゼミ)

7月6日、掛川 ゼミの学生たちは、「イオンモール多摩平の森」を訪問し、教科書で学ぶ「持続可能性」、「循環型経済」、「環境保全」が、企業において、どの様に実践されているのか、また、どの様に社会実装されているのかを、イオンモール株式会社および公益財団法人イオン環境財団の方々から説明を受ける中で、様々な視点を学びました。

 まず、イオン環境財団の担当者から温かい歓迎を受け、その後、同財団の設立趣旨や活動などについて説明を受けました。担当者によると、1990年に日本で初めて地球環境をテーマにした企業による財団が創設され、4つの活動(植樹、環境活動への助成、環境教育・共同研究、環境の取組みへの顕彰)を実施してきていることを、クイズを通して学びました。特に、1991年以来、植樹した合計本数が、1,276万本になっているとの地道な成果に驚く学生達は多くいました。

 その後は、イオンモール株式会社 戦略統括部 地域サステナビリティ推進部長から、イオンが実施する「サステナビリティ基本方針」、「イオンの脱炭素ビジョン」、「資源循環の取組み」「生物多様性の取組み」などについて説明を受け、イオンモールでも、生物多様性保全に努めていることや、商品のサプライチェーン全体を通じて、環境への負荷を如何に減らし、自然再生に向けた努力をしているかという企業の状況や、それに関する課題についても学びました。また、イオンでは、地域住民の方々と協力し、モールの敷地内に植樹、プラスチック容器の回収、更には、店舗で利用するエネルギーの全てを再生可能エネルギーにする為、お客様の自宅での余剰再エネ電力をEVを通じて店舗に提供してもらう仕組み作りなど、地域との協働により、持続可能な町づくりをしていくことが重要であるということを、イオンの方は強調されました。その後、質疑応答セッションに移り、学生側から、「企業が、短期的には利益に結びつかないと思われる生物多様性保全の活動などを実施されていることには驚いたが、どのように企業としては、その必要性を社内のスタッフに徹底しているのか」、「海外でも植樹をしたり、自然保護の活動をしているが、国により法律や環境管理が異なると思うが、その際は、どのように協議をし、現地の法律を遵守する形で進めているのか」、などの多くの質問が出され、イオンの皆様には、ご丁寧に回答して頂きました。

 その後、イオンの方々の案内で、学生たちは、モールの屋上に設けられたビオトープを視察し、カエルなどが住み着いているという池や周辺の草地を観察しました。イオンモールとしては、少しでもグリーンスペースを増やすことで、生物多様性に貢献したいとのことで、多摩平の森では、敷地の25%がグリーンスペースとのこと。

 更に、その後はスーパー内に行き、持続可能な漁業で獲られた魚に付与される「MSC認証」ラベルのついた魚商品や、プラスチックのトレイを無くした精肉商品などを視察しました。時間の関係上、その他の取組みについては視察ができませんでしたが、建物外には「雨の庭」(敢えて手入れをしない庭(緑地スペース)で、大雨が降った際に雨水がゆっくりと土壌に浸透し、洪水を防止するという機能)などもあるとのこと。また、イオンモールの周囲は、地域住民とイオンのスタッフが一緒に植えた樹木に囲まれており、そこで野鳥の観察もできるなど。イオンモールで、サステナビリティを担保する為の、様々な工夫や取組みについて大いに学んだ視察となりました。イオンの皆様、ご協力ありがとうございました。

参加した学生からは、以下の感想が寄せられました。

  • イオンの取組みで、最も感銘を受けた点は、イオンモールの敷地内だけでなく、日本全国・世界各地に広がる「イオンふるさとの森づくり」です。1991年からこれまで約1,276万本を植樹してきており、地球をより良くする行動力に感銘を受けました。

  • イオンのリサイクル事業に関して、創価大学が提携し、リサイクルを行うことによるメリットや特典を学生に提供することで、リサイクルへの理解が深まると考えます。

  • イオン様の取組みで、最も感銘を受けた点は、近隣住民の声や気持ちを一番に考えているなと感じたところです。例えば、アプリを活用した地域の人々の巻き込みや、町の景観を壊さないための工夫、消費者のEV促進の手段(放電&還元)などです。また、最も印象に残った点は、広報活動において、世界に貢献するための活動を皆に促すのではなく、「一緒にやっていこう」という勧誘の形で情報を発信しているところです。年齢や国籍関係なく、あらゆる人が興味を示すような工夫になっており、素敵だなと感じました。

  • イオン様と協力し、植林活動を創価大学で共同で行い、より強化なものにするという協力案を考えました。創価大学には豊富な植林スペースと情報発信能力、特に海外に向けた発信能力が、非常に長けていると思うので、この植林活動の規模拡大につながるのではないかと考えました。

  • イオンの取組みとして、脱炭素の取組みが、とても印象に残りました。イオンの敷地内や屋上に設置した太陽光パネルだけでは全体の3割程度しか補うことが出来ず、残りの7割をカバーするには、外部から持ってくるしかないということに驚きました。イオン側もその点で、色々な工夫(EV送電など)をしていることがわかりました。

  • 最大の学びは、イオンで実施している省エネ活動に加え、創エネを通して、自身の消費電力を再生可能エネルギーで賄おうとしている点です。このような積極的に再エネの拡大取組みについて、今後、大学としても見習い、参考にしていくべきだと思いました。

  • イオンの取組みで感銘を受けた点は、地域に適した開発を行っている点です。特に、世界においては、その国の法律や規則に則りながら、イオングループとしての環境配慮を忘れない開発を行っていることを知ることができました。

  • 身近にある大企業のSDGsへの取組みを、細かい部分まで知ることができよかった。ありがとうございました。

  • 再生可能エネルギーの拡大や植林など 「地産地消型」で行っているということに驚きました。

  • イオンの取組みで、最も感銘を受けたことは、脱炭素社会に向けての取組み目標の多くが、事前に設定した目標よりも、速いペースで進めているという現状に驚きました。

  • 今後、イオン主催の植林など地域での環境教育の場があれば、積極的に参加したいと思いました。

  • 省エネや廃棄物削減だけの対策にとどまらず、積極的に、お客さんを巻き込む形で環境問題に取組む姿勢に感銘を受けました。
説明を真剣に聞く学生たち
モールの屋上にあるビオトープ
屋上にあるとは思えないほど、植物が生い茂っていたビオトープ
エコラベル製品の説明を受ける
途上国からの原料調達には環境面や労働状況にも留意し、フェアトレード商品のチョコレートやコーヒー、紅茶を販売しているというコーナー
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