本研究所の渡辺哲子所員がケニア・国立ナイロビ大学、国立マシンデ・ムリロ大学で講演
ケニア・国立ナイロビ大学文学学科と本学ナイロビ事務所共催のシンポジウムが、2024年10月30日(水)・31日(木)にナイロビ大学で、ドイツ、アメリカ、スーダン、スリランカ等からのオンライン参加も含めて、約100名の研究者、教員、学生等が集まり開催されました。シンポジウムは、「平和構築のための文学の役割」をテーマとし、分断が進み平和構築への糸口を見出すことのできない世界情勢において、文学がどのような役割を果たすのかについて議論されました。シンポジウムの冒頭では、ナイロビ大学の学生が、創立者の平和に関する詩を寸劇の中で暗唱して披露しました。
池田大作記念創価教育研究所の渡辺哲子所員(ワールドランゲージセンター講師)が、「バイロンと批評の本質:平和と人間性促進のために」と題し、シンポジウムの1日目に基調講演を行ないました。渡辺所員からは、イギリスの詩人バイロンの作品と人生を通して、「理解」と「共感」を分けて考え、相手の表現や主張に、たとえ共感ができなくても、理解していこうと努力する批評の本質が論じられ、創立者とアフリカの交流の歴史も紹介されました。ナイロビ大学のヘンリー・インダンガシ名誉教授が、渡辺所員の講演のディスカッサントとして、創立者が「21世紀はアフリカの世紀」と示されたことの先見性に言及し考察を述べました。講演後も活発な質疑応答がなされ、創立者がアフリカ大陸に寄せられた期待の重要性を参加者が学び合いました。
11月1日(金)には、ケニアのビクトリア湖に隣接するキスム地域にある、国立マシンデ・ムリロ大学を訪問しました。同大学は、博士課程において「価値創造教育」の導入を進めており、ムタイ副学長との会見では、渡辺所員が、「世界に広がる創価教育」のテーマでプレゼンテーションを行いました。『創価教育学体系』発刊に遡る創価の価値創造教育の歴史についての解説、世界に広がる創価一貫教育の学び舎の紹介、創価教育の学術的展開の説明が行われました。その後、同大学大学院の基礎教育研究科長、研究者、博士課程の学生を交え、渡辺所員から創価教育についてより詳細な説明があり、約90分にわたり活発なディスカッションが行われました。参加者からは、創価大学や創価一貫教育の学び舎で実践されている「創価教育」についての理解を深めようとする真摯な質問が相次ぎ、今後の両大学の「価値創造教育」に基づいた教育的交流に向けて実りある訪問となりました。