丹木の歳時記2024 師走(一)

本年、没後50年を迎えた作家山本有三が「朝日新聞」紙上に『路傍の石』を連載していたのは昭和12年。この年の6月、45歳の若さで首相に就任したのが近衛文麿です。同年7月には中国で盧溝橋事件が勃発し日中戦戦争が始まります。戦前、3度に渡って首相を務めた近衛は終戦の年の昭和20年、戦犯として巣鴨刑務所に出頭する予定の12月16日に服毒自殺しました。山本と近衛は旧制一高時代からの旧知の仲。近衛の自決前夜も山本は荻窪の近衛邸に滞在していたそうです。山本の遺作となったのは近衛を取り上げた『濁流』。山本は亡くなる前年(昭和48年)の85歳から「毎日新聞」で連載を開始し、未完となりました。現在、三鷹の山本有三記念館では「濁流 雑談 近衛文麿」と題する企画展が開催(~2025年5月11日)されています。近衛が晩年まで過ごした荻窪の近衛邸「荻外荘(てきがいそう)」もこのほど復元工事を終え、12月9日から一般観覧が始まります。荻外荘は近衛が東条英機らと会談を行なった歴史の舞台でもあります。三鷹から荻窪へ。お近くにお越しの際は、山本と近衛の交流に思いを馳せながら足を運んでみてはいかがでしょうか。

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