留学体験(松永隆之介さん・アメリカ合衆国・アメリカ創価大学)

アメリカ合衆国のアメリカ創価大学に留学されていたそうですね。

はい。2022年8月から2023年5月の10ヶ月間、カリフォルニア州にあるアメリカ創価大学(SUA)に交換留学をしました。1学年100人程の小規模な大学ですが、様々なバックグラウンドを持った学生が世界中から集う、多様性豊かな大学です。

なぜ、その国・大学を選びましたか?

交換留学先としてSUAを選んだ理由は3つあります。

1つ目は生きた英語に触れたかったからです。それまで英語学習に努めていましたが、自身が学んでいる英語と英語圏で実際に話されている英語には乖離があると感じていました。英語圏に飛び込み、実践的な英語を吸収して語学力を伸ばしたいと思いました。

2つ目は英語で多様な学問に触れたかったからです。SUAでは学部が複数に分かれておらず、全員が様々な学問を横断的に学ぶ、リベラルアーツというプログラムが提供されています。色々な学問に対しての知的好奇心が強い私は、1つの学問を追求するのではなく、異なる学問の眼鏡を掛けて多方面から人間の本質を考える経験をしたいと思いました。

3つ目は大好きな陸上競技をしたかったからです。私は陸上短距離種目をしており、短距離の強豪国であるアメリカで競技をするのが夢でした。特にカリフォルニアは雨が少なく温暖な気候で、スポーツをするには最高の環境です。SUAであれば勉強と陸上の両立に挑戦できると考えました。

留学中に、アメリカの規模と多様性に驚いたそうですが?

アメリカでは、見るものすべてが大きかったです。巨大なスーパーマーケット、片側7車線ほどある高速道路、長身で筋肉ムキムキな人。何もかもが大きくて、日本のものが可愛く見えるほどでした。特に驚いたのはスポーツの規模で、例えば私が観戦したNBAの試合では、巨大なアリーナ内でド派手な光と音の演出が会場を盛り上げたかと思えば、試合の途中、「相手のフリースローが連続で外れたら観戦者全員にハンバーガー無料券をプレゼント」という企画がいきなり始まり仰天しました。

また、人々の多様性にも驚きました。人種・民族的なバックグラウンドが多種多様であるだけでなく、宗教やジェンダーなどに関してもオープンに話す人が多く、お互いを尊重し認め合う文化が根付いているように感じました。

留学中は、陸上部での活動が楽しかったそうですね。

SUAでは陸上部に所属して活動していました。SUAは様々なスポーツに力を入れており、交換留学生の私でも快くチームに受け入れてくれました。世界各国から集ったメンバーとともに、平日は毎日トレーニングに励み、週末にはカリフォルニア各地で開催されたレースに出場しました。コーチの運転するマイクロバスで遠征した、美しい海の真横にある競技場が特に印象に残っています。メンバーの1人として出場したリレー種目ではSUA新記録を樹立することができ、とても嬉しかったです。アメリカ式の質の高い練習、一緒に練習に励んだ仲間たち、屈強な男たちと競ったレース、全てが素晴らしい思い出と財産になっています。留学中、より濃い経験と友情を育むために、勉強に加えて、何らかのコミュニティに属することを推奨します。

留学中に、移動に苦労したとお聞きしましたが。

さすが車社会のカリフォルニア、大学から少し遠くに出かけようとしても、移動手段が車しかないことに苦労しました。近くのスーパーマーケットには大学から定期便の車が出ているのですが、それ以上に足を伸ばそうとするとUberを呼ぶか、車を持っている友達に乗せてもらうか、しか選択肢がありませんでした。Uberは便利なサービスですが、費用が高いので、複数人で乗り合わせる時にだけ使っていました。ありがたいことに、陸上部のメンバーの車に乗せてもらって出かけることが頻繁にあり、練習が無い日にビーチでリラックスしたり、コストコで買い物をしたりしていました。チームメンバーには本当に感謝しています。

留学していちばんよかったのは、物事を、そして自分を、客観視できるようになったことだそうですね。 

それまでの当たり前が通用しないという状況が多々あったことで、物事を客観的に見るクセがつき、精神的に成長したと感じます。日本とは文化も歴史も、何もかもが違ううえ、「みんな違って、みんな良い」という思想が根付いているアメリカで生活していると、自分の価値観とは相反することにも直面します。そんなとき、ただ拒絶するのではなく、いったん自分の価値観を無視して考え直してみることが大切です。もちろん誰にでも当てはまる正解があるわけではないけれど、違う価値観を受け入れてみて、新たな気付きがあれば自分の持っている知識をアップデートする。この繰り返しによって柔軟な心を持つことができるようになりました。そしてその裏返しとして、じゃあ自分はどういう人間なのだろうか、と考えることにも繋がります。何事も人と比べてしまう自分がいましたが、絶対的な自分の確立を意識するようになりました。留学は、世界を知ると同時に自分を見つめ直す、素晴らしい機会を与えてくれました。

これから留学を目指す後輩達に一言お願いします。

留学では新たな景色、新たな人々、そして新たな自分に出会えます。きっかけは何でも良いです。とにかく世界に飛び込んでみてください。社会人になって海外旅行に行けば良いじゃん。たしかにそうかもしれません。ただ、留学は未来の自分への投資といえます。大学生だからこそ、まだまだ未熟な今だからこそ、長期の留学をする価値があると私は信じています。皆さんの個性あふれる留学体験が聞けることを楽しみにしています!

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