西浦昭雄 教授

担当授業及び研究テーマは?

 アフリカ経済論や開発経済学を学ぶゼミを担当しています。アフリカ経済論については、別のページ(授業紹介)で述べていますので、ここでは開発経済学について紹介します。端的にいえば、開発経済学とは、貧困や失業、経済格差などの問題を抱える開発途上国の経済発展を考え、その解決策を提示していく学問だといえます。

 例えば、貧困がどうして起きるのか、その元のところまで遡さかのぼり、さらに現状を調べ、それを解消するためにはどんな方法があるのかを考えていきます。そのため幅広い経済学の知識や考え方を総動員しなければなりません。
 
 私は、アフリカ経済の中でも雇用創出と経済格差の是正の2つにとても興味をもっています。具体的には、これまで南アフリカ、ケニア、ウガンダ、タンザニア、エチオピア、ザンビア、モザンビーク、モーリシャス、レソト、スワジランドといったアフリカ諸国の直接投資や農産物加工業、企業に関する研究をしてきました。最近では、南アフリカの経済格差是正策や中小企業の成長軌跡に関する研究をしています。

学生時代の関心事は?

 関西創価高校に通っていた私は、黄熱病の研究のためにアフリカの現在のガーナを訪れた野口英世のエピソードを通した「人のために生きる人生を」との創立者池田先生によるスピーチに感動し、それがきっかけでアフリカに興味を持ちました。

 当時は、アフリカのエチオピアやスーダンで大規模な飢餓が発生していることが報道されていたこともあり、食料問題が経済学部に進学する動機にもつながりました。アフリカに関して日本語で書かれた書籍を求め、地元の公立図書館にも通いました。

 創価大学経済学部に進学後、「パン・アフリカン友好会」に入り、 大学2年の時にその仲間2人とケニアとガーナを1カ月旅行しました。実際にみたアフリカの第一印象は意外と都会で、植民地時代の影響が大きく残っているというものでした。地方都市や農村にも訪問し、その違いにも驚かされました。当時のケニアは一党独裁政権で、ガーナは軍事政権下でした。
 
 大学院修士課程に進学し1990年には1年間ケニアのナイロビ大学に交換留学し、ケニアの工業化をテーマに研究しました。断水や停電が頻発し、複数政党制を求めて頻繁にデモが行われる動乱期でした。留学中にアフリカ9カ国を訪れたことは、アフリカにもいろんな側面があることを体験的に学ぶ機会になりました。さらに、 博士課程の在学中には2年弱、南アフリカのウィットウォータースランド大学に研究留学しました。

研究やゼミに対する思いとは?

 私は、学問は人々が幸福になるためにあると思っています。経済学も同じで、どうすれば幸せになるのかという視点を真ん中に据えたものでなければならないと考えています。その観点からいえば、アフリカ経済を学べば世界の課題が立体的に見えてくるし、人びとが幸福になるためのヒントもそこにあると感じています。

 私が担当する開発経済学のゼミでは、先進国だけではなく開発途上国でも活躍できる創造力や問題解決力をもった人材を育てていきたいと考えています。そのために大事にしているのは、自分の身の回りのことや社会で起こっている事柄に関心を持ち、自ら問いを立て、それを解決していくために考え、行動することです。

 そこで、ゼミでは授業外で実施するゼミ生の自主的な「サブゼミ」を重視しています。それは、留学や普段の生活を通して、「発見」した問題をどう解決していくのか、自分たちでプロジェクトを形成し、試行錯誤という体験を学生にしてもらうという取り組みです。

教育や人材育成への抱負

 私はゼミの学生たちを見ていて、本当に学生たちの可能性の大きさを感じています。自分たちの力を信じてやり続けていれば、現実を変えていくことができる。そのような手ごたえをゼミ生自身も感じているでしょう。人生は大学を卒業してからのほうが長いわけで、ゼミで経験したことが、その後の長い人生で困難を乗り越える力になってくれればよいと思っています。

 これまでゼミだけではなく、多くの学生と接していて感じるのは、すごい潜在性を持っているということです。創価大学で学んでいるということはいろんな可能性に満ちています。後はそれをどう開いていくかだと思います。せっかく可能性の機会が沢山あるのに、そのチャンスを「自分には何もできないから」とか、と否定してしまうのは何よりも「もったいない」ですね。

 自分の可能性をどこまでも信じてほしいと思います。アフリカ経済や開発経済学に関心を持つ人が一人でも増え、そこから何かを学んでもらえればと考えています。



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