2023年06月14日

創価教育研究所で『人生地理学』刊行120周年記念の講演会を開催

2023年6月12日に、牧口常三郎先生の『人生地理学』刊行120周年を記念する講演会を開催しました。

題名:「牧口常三郎先生と『人生地理学』―その新たなる展開―」
講師:斎藤 毅 氏(東京学芸大学名誉教授、元・日本地理教育学会会長)
会場:ディスカバリーホール



本年は、創価教育学の創始者・牧口常三郎先生が、若き日の大著『人生地理学』(1903年)を刊行して120周年に当たります。日露戦争の開戦直前の時期に、人間と環境との関係を巨視的に捉え、「世界民」の自覚を訴えた同書は、新渡戸稲造、柳田国男、小川琢治といった知識人たちに高く評価されました。

講演会では、日本地理教育学会元会長の斎藤毅氏(東京学芸大学名誉教授)をお迎えして、『人生地理学』の歴史的・現代的意義について語っていただきました。

斎藤氏は、ヨーロッパと日本における地理学と地理教育の歴史を概観しつつ、牧口先生の「郷土科」論は20世紀後半にイーフー・トゥアンが提唱したトポフィリア(場所愛)に先駆ける業績であると評価しました。そして、学校教育における地理教育の目的は「科学的世界観の基礎としての世界像形成」を支援することであると述べ、現代世界の課題に真正面から立ち向かう若者たちが創価大学から多く巣立ってほしいとの期待を語りました。講演会には学生340名、教職員20名の合計360名が参加しました。

参加学生の声:
〇今回の斎藤毅氏の講演を受けて、『人生地理学』が地理教育研究において大きな影響を与えていたことを実感することができました。また、これが未来に対して考えさせる本でもあると改めて知ることができました。

〇牧口先生が『人生地理学』で訴えたかったことや、池田先生が考える地理学の目的についてよく分かりました。大学で地理学について学ぶ予定はあまりありませんでしたが、今回の講義を聞いて、地理学を学ぶ意欲が湧きました。

〇今回の授業を受けて感じたのは、人生地理学と言われても全然難しくて分からなかったのですが、「人生と地理学」として考えてみたら分かると言われ、そう捉えて考えてみるとすごく分かりやすかったです。学びたいけれど難しい事や意味が分からないことがあったけれど今回の授業でいろいろ学べたと思いました。

〇本日の授業を受講し、宗教者としてではなく、地理学者としての牧口先生のことをたくさん知ることができ、とても勉強になりました。地理学というものは、地名を覚えたり、産物について勉強したりするイメージが沸いてくるが、そういったものよりも、地理から見えてくる人間の生活、傾向、生きていくうえで大切なことなど、周りの世界と自分という存在のつながりを認識するとても深い相関が地理には眠っていることを再確認することができました。

ページ公開日:2023年06月14日