牧口常三郎生誕150周年記念講演会を開催しました
2021年6月7日に池田大作記念創価教育研究所主催の「牧口常三郎生誕150周年記念講演会」を開催しました。
題 名:「カント哲学へのアプローチ」
講 師:福谷 茂 氏(本学大学院文学研究科教授、京都大学名誉教授)
本年の創価教育学の創始者・牧口常三郎先生の生誕150周年(6月6日)に当たり、この佳節を記念し、牧口先生も傾倒したドイツの哲学者カントについて、福谷茂先生に講演いただきました。
福谷先生は『カント事典』(弘文堂)編集委員、日本カント協会元会長を務めるなど、カント研究の第一人者として知られます。
講演会では、福谷先生のカント研究をふまえ、牧口先生が獄中でもドイツの哲学者カントの探究を続けた史実に言及されるとともに、ヨーロッパの辺境の地に生まれた地理的不利を、学問上の利点に転換したカントの発想などについて論じられました。受講者からは多くの質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。
参加者の代表の声
〇カントの哲学がなぜ逆境にたった知識人に読まれるのか、カントの哲学が構成される要因や成り立ちからアプローチしていくなかで、出来上がっているものに疑問をもち研究し、切り開いていく姿勢に惹かれる理由があるような気がしました。(学部1年生)
〇今まではカントを倫理の教科書でしか学んだことがありませんでした。ケーニヒスベルクという辺境の地の出生であることがもたらした強みや、伝統的哲学のアプローチの批判、17世紀西洋哲学者との関係という視点から学んだことがなかったので非常に興味深く、学びとなる講演でした。ありがとうございました。(学部2年生)
〇カント哲学という名称は、私が世界史を用いて受験をしたため知ってこそいましたが、内容までは知りませんでした。中でも、理性を批判するという考え方が最先端を行っていたようで、興味が湧いてきました。福谷先生程の研究者にはなれないかもしれませんが、私も世界市民を目指す以上、人に語れる程には学びたいと思いました。(学部1年生)
〇創価教育論の授業ながら、カント第一人者の福谷先生からカント哲学のお話を伺うことができ、非常に満足しております。私自身も形而上学を勉強している身ですが、カントの投げかけた形而上学の思考方式批判を受け止めて、今後の研究の糧としていきたいです。(修士1年生)
教授
福谷 茂
フクタニ シゲル
- 専門分野
カントを中心とする西洋近世哲学史および形而上学史
- 研究テーマ
ヘノロジー(一者論)の観点からの形而上学史の見直し 日本哲学史研究