ドイツ・ベルリンで開催された国際会議「ANGEL Conference 2025」で本研究所教員が発表

イギリス・ロンドン大学UCL開発教育研究センターが運営する、グローバル教育の国際的な学術団体であるANGEL (Academic Network on Global Education & Learning) が主催の国際会議「ANGEL Conference 2025」が、2025年6月4日から6日に渡って、ドイツ・ベルリンのフンボルト・フォーラム(旧ベルリン王宮)で開催されました。会議は、「グローバル教育と学習の研究:民主主義、平和、人権、持続可能性、そしてグローバルな社会正義のために」をテーマに、欧州、北米、アフリカ、アジア65ヶ国から400名を超える研究者、国際機関や政府の代表者、教育関係者等が参加し、グローバル教育の発展と民主主義をめぐり活発な議論が行われました。
創価教育学の提唱者・牧口常三郎先生の生誕日に当たる6月6日には、創価教育の理念と歴史、実践と研究報告に関する分科会が行われ、文学部の伊藤貴雄教授が、「ファシズムの時代における価値創造教育の起源」と題し、牧口常三郎先生の世界市民教育の理念が、民主主義の危機が語られる現代社会に対して与える示唆について言及し、牧口先生の教育理念と言論闘争の意義を論じました。
池田大作記念創価教育研究所の渡辺哲子所員が、「価値創造教育の今日的実践」のテーマで、1984年、2000年、2001年に創立者池田先生が発表された教育提言が世界市民教育の議論に与えた影響について洞察し、東京創価小学校で実践されている対話型学習についての研究を発表しました。
さらに、同研究所の久木田ステファニー所員が、「創価教育研究所での活動:価値創造教育と世界市民に関する取り組みと研究」として、創価教育研究所の研究活動と世界市民の育成のための取り組みを紹介しました。
アメリカ・ニューヨーク州立大学のナムラタ・シャルマ博士が、分科会のディスカッサントとして「創価教育の実践を通じたグローバル教育と民主主義の促進」について考察を述べ、会場からの民主主義社会の確立における創価教育の貢献や、人工知能(AI)と創価教育の役割についてなどの質問をめぐり活発な意見交換が行われました。
会議で発表した伊藤教授は「第二次世界大戦終結から80周年を迎えた本年、日本における戦時下レジスタンスを代表する牧口教育学について、ドイツの地で研究者たちと議論できたことは非常に有意義でした」と述べました。
渡辺所員は「欧州ドイツで、創立者池田大作先生の『教育提言』と、創価学園での実践について発表し、世界の研究者と交流しネットワークを広げられたことに感謝しています。今後も創価教育に関する論考執筆を重ねて研究を進めて参ります。」と述べました。
また、久木田所員は「重要性を増すグローバル教育の枠組みの中で、創価教育の意義と更なる実践の可能性を再認識し、今後の研究に活かせる多くの洞察を得ることができた貴重な機会となりました」と述べ、グローバル教育分野における創価教育の理念の重要性を認識する分科会になりました。


教授
伊藤 貴雄
イトウ タカオ
- 専門分野
哲学・倫理学、思想史
- 研究テーマ
ドイツ近現代思想・社会契約論・精神文化史

講師
渡辺 哲子
ワタナベ テツコ
- 専門分野
国際教育、カリキュラム学、リテラシー教育(International Education, Curriculum Studies, Literacy Education)
- 研究テーマ
国際教育におけるカリキュラム、英国の国語教育、教育の目的と教授法(Curricula in international education, literacy education in the UK, aims of education and pedagogy)

講師
久木田 ステファニー 光子
クキタ ステファニー ミツコ
- 研究テーマ
創価教育と世界市民教育